研究課題/領域番号 |
23KK0021
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 裕子 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 国内客員研究員 (70528992)
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研究分担者 |
伊谷 樹一 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (20232382)
砂野 唯 新潟大学, 人文社会科学系, 助教 (20748131)
佐藤 茉美 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (40893235)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2028年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 在来農業 / タンザニア / ケニア / 発酵食品 / 酒 / 現金収入源 / 持続的社会 / 竹産業 / 自律的農村 / 実践的地域研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、タンザニアの中南部地域で地域資源である竹産業の振興を通じ自給自足的な暮らしを基盤としながらも人々が農村での暮らしの維持しやすくする仕組みの構築を目指すものである。この地域では竹が多く生育しており、竹製品や地域特有の竹酒の生産が盛んである。しかし、品質や市場の開拓が問題で、それらを解決することで都市からの収益を増加させ、かつ、分業体制を通じて地域内で利益を循環させる仕組みを構築することで、人々が農村での暮らしを維持させ、過度な都市化を防ぎ、農村中心の持続的社会の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
タンザニアの調査許可が今年度から新しいシステムに更新されたので、取得に時間がかかってしまい、昨年度は本研究の対象地域において調査ができなかった。しかし、本研究の共同研究者であるタンザニア、ソコイネ農業大学の食品科学科のChove教授とお会いし、今後の方針等について話し合うことができた。また、同じく研究協力者であるナイロビ大学のステラ教授とケニア西部地域において本研究のテーマの一部である酒をはじめとした発酵食品とその基盤となっている地域の農業に関して調査を行い、東アフリカにおける発酵食品の実態を把握することができた。ブサとよばれるトウモロコシの酒で、トウモロコシの粉をフライパンで煎り、乳酸菌発酵させたものである。村内にはブサを製造し、販売している場所がみられた。また、タンザニアの北部のキリマンジャロではバナナを発酵させて作る酒もあり、道端で販売されており、チョットした現金収入源になっていた。 上記の理由により対象地域でのインテンシブなデータ収集はまだできてはいないが、対象地域の先行研究で書かれていたように、それぞれの地域の農業で生産された作物を使った酒を主にした発酵食品とその販売を小規模に行っている個人がいることが分かった。タンザニアやケニアでは各地域で主食となっている作物が異なっていたり、本研究の対象である竹酒など様々な種類のアルコールがみられる。調査許可は4月に許可が取得できたので、今年度はインテンシブな調査を対象地域で行いつつ、各地域の農業と発酵食品及びその販売の実態について文献調査および現地調査を積み重ねていけば対象地における事例と比較できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査許可取得に時間がかかってしまったため対象地域におけるインテンシブなデータ収集ができなかった。しかし、広域調査に切り替え、他の地域の酒の販売や農業に関しての情報を得ることができ、これからの調査に役立てられる可能性を見出すことができた。 実際にデータを収集する作業については集中して行えばそれほど時間はかからないと考えている。したがって、今年度は昨年度の遅れを取り戻すだけでなく、昨年度得られた知見を活かして調査内容や方法をより具体的に立てることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は本格的に対象地域を中心としてデータ収集を開始する。5月中にメンバーでズーム会議を開き、今年度の渡航計画と個々人の調査内容のすり合わせを行いつつ、どのように研究を進めまとめていくかについて話し合う予定である。伊谷教授を中心にタンザニア南部の広域を回り、竹に関する情報を広く収集する班と山根を中心に対象地域において竹酒や竹製品に関する情報をインテンシブに収集する版とに分かれ調査を進めていくことになると考えている。成果発表も学会発表を中心に今年度中あるいは少なくとも来年度の初めには行うことを目標として調査を行う。
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