研究課題/領域番号 |
23KK0059
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 太郎 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (00548464)
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研究分担者 |
五十里 哲 明星大学, 理工学部, 主任研究員 (00802977)
中須賀 真一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40227806)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 編隊飛行 / 宇宙干渉計 / 瞳分光 / 高安定分光器 |
研究開始時の研究の概要 |
赤外線宇宙干渉計は、単一望遠鏡では実現が困難な高解像度の分光撮像を実施する手段であり、また「第2の地球」と呼ばれる太陽型星周りの地球型惑星からの熱放射や大気の分光観測に欠かせないものである。しかし、複数の衛星を高精度に編隊飛行させることが求められ、技術的ハードルが非常に高い。編隊飛行の実現において重要なのが天体計測用の光学機器である。そこで、高安定な瞳収縮分光器を干渉光学系として利用することで、一露光から2光束の光路差を計測することが可能な手法を構築した。豪州で開発された編隊飛行シミュレーターPyxisに瞳収縮分光器を搭載し、実際の天体で生成される干渉縞を検出し、本手法を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界初の編隊飛行宇宙干渉計を実現に鍵となる瞳分光干渉法の実現可能性をオーストラリア国立大学(ANU)と共同で高めるものである。そこで、ANUで開発している編隊飛行宇宙干渉計のテストベッドPyxisに瞳分光干渉法のための瞳分光器を搭載し、天体の光を導入して瞳分光干渉法を実証するものである。今年度は、Pyxisテストベッドに瞳分光器を搭載するための境界条件を整理するために、ANUに近藤研究員と松尾がANUを訪問した。また今後数年間にわたる研究計画と、その計画を実現するための予算計画を整理した。2029年あるいは2030年に打ち上げを目指す、編隊飛行宇宙干渉計SEIRIOSへ本研究の開発財産をどのように活かしていくのかについて整理し、ANUと共同でPyxisからSEIRIOSへのロードマップを構築した。 一方で、東京大学で構築中の瞳分光干渉法の室内用のテストベッドにおいて、高精度な光路差計測が実施できることが明らかになった。特に、一波長よりも十分に大きな光路差でありながらも、波長の数分の一の精度で計測できることが分かった。この特徴は、打ち上げ時点で衛星間の光路差が大きいことが予想される編隊飛行型の宇宙干渉計に有用であることが期待される。今後、瞳分光干渉法のためのテストベッドにおいて、系統誤差を可能な限り排除して、光路差の計測精度を検証し、論文としてまとめていく。この結果をPyxisテストベッドへの搭載においても有効活用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案書に記載した通り、本年度はオーストラリア国立大学(ANU)との共同研究開始のためのキックオフとしての位置付けである。ANUで開発中の編隊飛行宇宙干渉計テストベッドPyxisに瞳分光器を搭載するための境界条件を整理し、実施に至るまでの課題等を確認した。瞳分光器の開発を2024年度から開始できるように準備することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はオーストラリア国立大学(ANU)との共同研究をスムーズに開始することができた。2024年度から、Pyxisに搭載可能な瞳分光器の詳細な設計と製作へ入る予定である。2024年度中に製作までを完了し、2025年度以降にPyxisに瞳分光器を搭載し、夜空の星を瞳分光器に導入し、実観測を実現する。今年度のANUでの訪問を通して、新たな問題は発見されず、当初の計画から変更はなく本研究を進める予定である。
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