研究課題/領域番号 |
23KK0063
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 桂 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402098)
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研究分担者 |
多田 隆治 千葉工業大学, 地球学研究センター, 嘱託主席研究員 (30143366)
鈴木 健太 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (40913629)
林 竜馬 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (60636067)
多田 賢弘 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (80909565)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | トルコ / アナトリア / 環境変化 / 文明 / 完新世 / トルコアナトリア / 古環境 / 古気候 |
研究開始時の研究の概要 |
完新世の数年から数十年の時間スケールで繰り返し起こった急激な気候変化と文明の具体的な関連は明らかになっていない.本研究では,5000~2000年前のトルコアナトリア地域について,およそ4200年前, 3200年前, 2800年前に起こったとされる急激で短期間の気候変化が,1)どのような様式,強度,速度,持続時間,空間分布で現れたか,2)それが当時の人間の生活・行動様式,社会構造,技術,文化,周囲の自然環境に対してどう影響したか,を明らかにする.
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研究実績の概要 |
2023年8月中旬に,トルコ国内にて以下の調査および試料採取を行った.1.トルコアナトリア地域カマンに位置するカマン・カレホユック遺跡内の文化層から,ミドゥン(かつてのゴミ捨て場)の堆積物試料と炭試料の採取,2.カマン・カレホユック遺跡の周辺にて,過去の湿地堆積物を採取,3.カマンから南東へ約100 kmに位置するクレーターレイクであるEski Acigolにて,4ホールから過去の湖底堆積物を採取.採取した各試料は,カマンにある中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所内の研究施設にて,適宜処理を行った.コア試料は長さ1 mのセクションに切断し,各セクションは縦に半割した.半割したセクションは記載と写真撮影を行った後,元素分析用のスラブ試料を採取した.さらに,残りの試料は微化石用および砕屑物分析用に分取した. 2023年10-11月には,トルコ鉱物資源開発局(MTA)において蛍光X線分析(XRF)、 X線回折分析(XRD)およびXRFコアスキャナー(ITRAX)にて採取した堆積物の化学分析を行った.また,2024年3月には,14C年代測定を実施するための試料抽出と前処理を行い,試料を発送できる状態にした.さらに,カマン・カレホユック遺跡内の文化層の堆積物を用いて,スメアスライドを作成し顕微鏡下で砕屑物の観察を行った.また,4つのホールから採取したEski Acigolのコア試料については,色や岩相の対比により模式柱状を作成した.これに従って珪藻と貝形虫分析用試料を選択し,2024年3-4月にアナトリア考古学研究所にて,それぞれ適切な処理をした上で観察を行った.その結果,約2000ー5000年前に堆積したと推定される試料について,珪藻と貝形虫の群集変化が認められた. 2024年夏のトルコでの調査,掘削に向けて必要な資材を準備し,アナトリア考古学研究所の協力のもと,トルコへ発送した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した試料が準備できており,トルコ国内での分析も着実に実施できている.
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今後の研究の推進方策 |
2024年8月にNar湖においてコア試料の掘削を実施予定である.また,2023年度に引き続き,年代測定,化学分析,微化石分析などを実施する.さらに,炭の分析を2024年度から開始する予定である.
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