研究課題/領域番号 |
23KK0067
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
當房 豊 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (60572766)
|
研究分担者 |
吉田 淳 国立極地研究所, 先端研究推進系, 学振特別研究員 (10926827)
植竹 淳 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (40455473)
大畑 祥 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 助教 (70796250)
足立 光司 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90630814)
|
研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
|
キーワード | 北極域 / グリーンランド / エアロゾル / 北極 |
研究開始時の研究の概要 |
北極域での急速な温暖化は、雪氷(積雪、氷床、海氷)の融解を進行させ、陸面や海面を露出させる。その結果、北極域の陸地や海洋から鉱物ダストやバイオエアロゾルなどの自然起源エアロゾルの発生規模や頻度は、将来的に増加することが予測される。これらは北極域の下層雲内での微物理過程に作用することで、北極域での放射収支や降水に大きな影響をもたらす可能性がある。そこで本国際共同研究では、北極域の中でも温暖なグリーンランド南部において、北極域の自然起源エアロゾルがどのように変動し、それらが雲核(氷晶核、雲凝結核)としてどのように寄与するのかを明らかにするための現地調査を実施する。
|
研究実績の概要 |
北極域での急速な温暖化は、雪氷(積雪、氷床、海氷)の融解を進行させ、陸面や海面を露出させる。その結果、北極域の陸地や海洋から鉱物ダストやバイオエアロゾル(気中の微生物)などの自然起源エアロゾルの発生規模や頻度は、将来的に増加することが予測される。これらは北極域の下層雲内での微物理過程に作用することで、北極域での放射収支や降水に大きな影響をもたらす可能性がある。そこで本研究では、北極域の中でも温暖なグリーンランド南部において、北極域の自然起源エアロゾルがどのように変動し、それらが雲核(氷晶核、雲凝結核)としてどのように寄与するのかを明らかにすることを目的とする。現地調査は、日本とスイスの合同研究チームがグリーンランド南部の町・ナルサークに開設するスーパーサイトで実施する。本国際共同研究の遂行によって、「温暖化によって北極域で雪氷が減少した際にエアロゾルや雲の微物理特性に生じる変化」についての先験的な知見が得られることが期待される。 2023年夏に日本とスイスの合同研究チームによるナルサークのスーパーサイトでのエアロゾル観測を実施したが(日本からは2023年7月に當房、足立、大畑の3名が現地を訪問し、鉱物ダストやバイオエアロゾルなどの自然起源エアロゾルを主な対象とした集中観測を実施)、初年度にあたる2023年度は、その際に得られたエアロゾル試料の分析やデータ解析を進めた。また、現地訪問で得られた情報を整理し、次回の同サイトでのエアロゾル観測の実施を見据えた研究計画の議論などを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グリーンランド南部の町・ナルサークに新たに開設されたスーパーサイトを活用し、2023年夏に日本とスイスの合同研究チームによるエアロゾル観測を実施することができた。日本の研究チームは、エアロゾルサンプラーによるエアロゾルのサンプリング(主に電子顕微鏡による個々のエアロゾルの大きさ、形状、組成等の詳細分析に使用)やバイオエアロゾル粒子数測定システム(WIBS-NEO)による蛍光性のバイオエアロゾルの数濃度の計測などを担当した。現在、これらのエアロゾル試料の分析やデータ解析を進めているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画では、2024年と2025年の両方の夏にナルサークでのエアロゾル観測を実施する予定だったが、2023年夏のエアロゾル観測時に数多くの観測データや試料が得られた点や最近の社会情勢の変化による影響(特に円安による予算執行計画への影響)などを考慮し、2024年夏のエアロゾル観測に関しては、実施しないことになった。そこで2024年度に関しては、2023年夏に得られたエアロゾル試料の分析やデータ解析等に重点を置いた研究活動を行う予定である。日本とスイスの双方による研究の進捗状況の確認や2025年夏に予定している次回のエアロゾル観測の実施計画の議論については、毎月オンラインで開催しているセミナー(Greenfjord Seminar Series)等を通して行っていく予定である。
|