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フレキシブルデバイスの新展開:先端半導体実装工学が拓くエネルギー貯蔵ロールの創製

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0071
研究種目

国際共同研究加速基金(海外連携研究)

配分区分基金
審査区分 中区分21:電気電子工学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

福島 誉史  東北大学, 工学研究科, 准教授 (10374969)

研究分担者 清山 浩司  長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (60412722)
梶原 一宏  長崎総合科学大学, 工学研究科, 講師 (10779937)
木野 久志  東北大学, 医工学研究科, 特任准教授 (10633406)
研究期間 (年度) 2023-09-08 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
キーワードエネルギー貯蔵 / ロールトゥーロール / フレキシブルデバイス / 絶縁破壊電圧 / DC-DCコンバータ / 高分子誘電体 / トレンチキャパシタ / FHE / エネルギー / 蓄電池 / フレキシブル / マイクロ・ナノ加工
研究開始時の研究の概要

間欠的な再生可能エネルギー資源から各家庭でエネルギーを貯蔵し、効率的に利用できる環境負荷の少ない蓄電デバイスとして、安価な高分子シートの両面に立体的な電極を形成した大容量のキャパシタアレイからなる静電的エネルギー貯蔵ロールを提案する。数kmメートルの長いシートをロール状のまま使う「フレキシブルデバイスの新たな形態」に資する技術基盤を構築する。電磁界解析も加え、先端半導体実装工学を駆使して生産性に優れるRoll-to-Roll集積の方法論を確立する。また、エネルギー源から出力された直流電圧を昇圧して蓄電し、各家庭で利用できるように降圧できるコンバータの回路設計を含めたロール状システムを創製する。

研究実績の概要

間欠的な再生可能エネルギー資源から各家庭でエネルギーを貯蔵し、効率的に利用できる環境負荷の少ない蓄電デバイスとして、安価な高分子シートの両面に立体的な電極を形成した大容量のDeepトレンチキャパシタアレイからなる静電的エネルギー貯蔵ロールを提案している。必要な寸法に裁断して使う一般的なフレキシブルデバイスに対し、数kmメートルの長いシートをロール状のまま使う「フレキシブルデバイスの新たな形態」に資する技術基盤を構築する。鍵となるのは、静電容量を高めるため、高い絶縁破壊電圧を有する高分子シートの両面に形成して電極面積を増大させるSurface Area Enhancer (SAE: 表面積増強要素)の材料・構造設計とマイクロ・ナノ加工法である。高分子構造学と材料力学的な視点から三次元誘電体の絶縁破壊物理を深耕する。電磁界解析も加え、先端半導体実装工学を駆使して生産性に優れるフィルムレベル集積の方法論を確立する。また、エネルギー源から出力された直流電圧を昇圧して蓄電し、各家庭で利用できるように降圧できるDC-DCやDC-ACコンバータの回路設計を含めたロール状システムを創製する。UCLAのS. Iyer卓越教授およびそのグループと連携して機能検証する。2024年度は、研究分担者の清山がUCLAに半年間滞在し、IyerグループのBoris教授と回路の最適化を図る。また、大規模にフィルムレベル集積が実現できるような設備の構築も行う。材料物性学的なアプローチに加え、マイクロ・ナノ加工学を駆使し、価格も含めたロールトゥーロール製造などの量産性を視野に入れながら、新しエネルギー貯蔵ロールを創出する。さらに、回路的な要素も加えて実現可能性を強化し、Liイオン電池やスーパーキャパシタ、フライホイール電池やダムなどの広範なバッテリーに対してメリットが出せるように構造設計、プロセス設計、回路設計を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験的には、絶縁破壊電圧700V/μm以上、誘電率10に迫る機能性高分子である厚さ100μmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムを用い、ボッシュエッチで作製したSiピラーを熱圧着でインプリントし、PVDF中に直径10μm以下、深さ数十μm以上の微細孔を形成することに成功した。PVDFは優れた電気的機械的特性を有する反面、高コストであり、その点を考慮してポリエチレンフィルムでも同様の加工ができることを確認した。導電性ペーストで電極を形成したPVDFの絶縁破壊耐性をオイル中で計測し、Breakdown field predicted for a lifetime of 10 years = 40V/m、Capacitor voltage = 4000 V (for 100 μm)の値を得ることができた。一方、電磁界シミュレーション上では、PVDFの物性値を用いて、直径、深さ、ピッチ、配置を試行錯誤して1kVの耐圧に耐えられる設計を導いた。DC-DCコンバータの設計は次年度から本格的に行う。

今後の研究の推進方策

三次元加工PVDFもしくはポリエチレン等の安価な高耐圧高分子フィルムを用いて絶縁破壊耐性に優れたトレンチキャパシタ構造を作製する。鍵となるのは、ボッシュエッチで形成したSiピラースタンパーのスキャロップである。このスキャロップハイトを低減するためのエッチング条件/アニール条件などの最適化を行い、平滑な側壁を有するPVDFトレンチキャパシタを作製するための技術開発を行う。また、コストの面からPVDF以外の高分子フィルムを用いたトレンチキャパシタの作製も進めるが、誘電率が低い点が懸念事項であり、スタンパーを脱着する際の歩留りが低い点も今後のフィルムレベル集積へ展開する課題と認識している。これらを解決できるように努める。また、DC-DCコンバータの設計に関しては、100V以下の電圧から1kV以上の直流に昇圧する回路、ならびに1kV以上の電圧から数百V以下の直流に降圧する回路を分けて設計し、エネルギー貯蔵ロールが適用できるシステム設計を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Advanced Packaging Methods Used for Energy Storage from Intermittent Renewable Source2023

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Fukushima, Tianyu Xiang, Harshit Ranjan, Niharika Tripathi, Chang Liu, Guangqi Ouyang, Randall Irwin, and Subramanian S. Iyer
    • 雑誌名

      Proceedings of the 71st Electronic Components and Technology Conference (ECTC 2023)

      巻: none ページ: 444-449

    • DOI

      10.1109/ectc51909.2023.00080

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Advanced Packaging Methods Used for Energy Storage from Intermittent Renewable Sources2023

    • 著者名/発表者名
      Tak Fukushima*, Niharika Tripathi, Harshit Ranjan, Tianyu Xiang, Chang Liu, Guangqi Ouyang, Randall Irwin, and Subramanian S. Iyer
    • 学会等名
      The 4th UCLA CHIPS Workshop (CHIPS: Center for Heterogeneous Integration and Performance Scaling
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-09-12   更新日: 2024-12-25  

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