研究課題/領域番号 |
23KK0097
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
立川 貴士 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (20432437)
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研究分担者 |
隈部 佳孝 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 特命助手 (70911957)
松原 亮介 神戸大学, 理学研究科, 教授 (90401223)
木村 哲就 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (70506906)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2026年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 単一分子分光 / 光エネルギー変換 / 光触媒 / 生物反応 / バイオ触媒 / 資源循環 |
研究開始時の研究の概要 |
単一分子反応イメージング分野でトップレベルの実績を有する日米両国のグループが先端研究スキルを交互に補完することで、世界共通の課題であるグリーンな炭素資源循環を支える革新的計測技術を共創・国際標準化する。特に、微生物による廃棄物の分解や光触媒による二酸化炭素の資源化など、複雑かつ高度な触媒プロセスを協働して解き明かすことで、未踏触媒反応の開発、次世代を担う若手研究者の育成、国際研究ネットワークの構築につなげる。
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研究実績の概要 |
再生可能エネルギーを駆動力とし、プラスチックやCO2などの廃棄物を水素燃料や有用化成品に変換できるバイオ・光触媒は、グリーンな炭素循環システムを実現する上で中心的な役割を果たすと期待されている。一方、これらの触媒プロセスは不均一な固液界面が反応場であることから、システム全体を階層的に理解・設計するためには、ターゲットとなる分解対象物や分子種との吸着、解離、反応に関する時間・空間情報が不可欠である。当該年度は、バイオ-固体界面における触媒メカニズムの分子論的な解明の第一歩として、不均質固体であるPETナノ粒子とPET分解酵素であるLCCを用い、これらの反応を蛍光顕微鏡から単一粒子スケールで観測した。蛍光色素を含有するPETナノ粒子にLCCを含む溶液を滴下することで、徐々に蛍光強度が減少する様子が観測された。この結果は、LCCによるPETナノ粒子の分解が起こり、その結果、内包された色素が溶液中に放出されたことに起因すると考えられる。今後、観測された蛍光強度の減少過程を単一粒子レベルで解析することで、PET分解反応の時空間分布を詳細に調べることができると期待される。上記に加え、新たな光触媒材料や蛍光プローブの設計・合成や測定システムの拡張と予備的実験を進めるなど、今後の研究において不可欠な研究基盤の構築を行った。また、国際共同研究者や国内の関連研究者との打合せや情報交換を継続的に行い、日米間研究ネットワークの構築に向けた準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プラスチック分解酵素を用いた単一粒子蛍光イメージングに着手するなど、異種材料間反応のその場観測に向けた準備を進めることができた。共同研究者と定期的にミーティングを行い、新規蛍光プローブの設計なども進んでいる。以上より、本研究課題の進捗状況は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度に滞在を予定している国際共同研究者との共同実験ならびに国内外の研究者とのネットワーク構築を中心に進める。加えて、計画している微生物反応の単一分子・単一粒子蛍光イメージング研究などを本格的に開始し、研究プロジェクトを加速させる。
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