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食品由来成分によるシスチン輸送体の発現を介したフェロトーシス制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0109
研究種目

国際共同研究加速基金(海外連携研究)

配分区分基金
審査区分 中区分38:農芸化学およびその関連分野
研究機関新潟大学

研究代表者

佐藤 英世  新潟大学, 医歯学系, 教授 (60235380)

研究分担者 小林 翔  山形大学, 農学部, 准教授 (10779490)
叶 奈緒美  山形大学, 農学部, 准教授 (30780267)
研究期間 (年度) 2023-09-08 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードシスチン / フェロトーシス / フラボノイド / グルタチオン / xCT / グルタミン酸
研究開始時の研究の概要

哺乳類細胞膜上に発現するシスチン輸送体(xCT)は、主要な抗酸化物質であるグルタチオンレベルの制御に重要な役割を担っている。最近、フェロトーシスと命名された新しい細胞死の形態が報告され、神経変性疾患やがんなど多様な疾患への関与が示された。また、xCTがフェロトーシス制御の最上位に位置する分子であることが明らかになった。本研究では、xCTの発現制御に影響を与える未知の食品成分の探索を行い、xCTを誘導することが知られているフラボノイドを含めた食品由来成分によるxCTの発現制御のメカニズムを明らかにし、xCTを介したフェロトーシス制御機構を細胞レベル、個体レベルで解明することを目指す。

研究実績の概要

シスチン・グルタミン酸輸送系(xc-系)は、哺乳類細胞膜上に発現するアミノ酸輸送系の1つであり、内在性抗酸化物質であるグルタチオン量の制御に重要な役割を担っている。申請者らが世界で初めて遺伝子クローニングに成功したこの輸送系の本体タンパク質であるxCTは、近年、がん等の病態に深く関わることが明らかになってきた。申請者らは、食品由来成分によるxCT遺伝子の発現制御機構を調べ、ある種のフラボノイドによって、xCTが誘導されることを見い出した。最近、フェロトーシスと命名された鉄依存性の新しい細胞死の形態が報告され、神経変性疾患や急性臓器障害、がんなど多様な疾患への関与が示されている。また、xCTがフェロトーシス制御の最上位に位置する分子であることが明らかになった。本研究では、xCTの発現制御に影響を与える未知の食品成分の探索を行い、フラボノイドを含めた食品由来成分によるxCTの発現制御のメカニズムを明らかにし、xCTを介したフェロトーシス制御機構を解明することを目指した。初年度は、構造が類似する12種類のフラボノイドについて、フェロトーシス抑制能を調べたところ6種類のフラボノイドに明らかなフェロトーシス抑制効果のあることが示された。これらのフラボノイドは、xCTの阻害剤とGPX4の阻害剤、いずれのフェロトーシス誘導剤についても同様な抑制効果を示した。これらのフラボノイドの中でラムネチンの抑制効果が一番高かった。一方、細胞内グルタチオンとの関連性を調べたところ、フェロトーシス抑制能とグルタチオンの動態とには、明確な関連性は、認められなかった。酸素分圧の影響についての解析も開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者は、予定通り2024年2月にConrad博士の研究室に赴き、今後の研究の進め方について打合せを行い、また、有用な情報交換を行った。また、フラボノイドのフェロトーシス抑制効果が、細胞種によって異なるかどうか、また、酸素分圧の影響はどうかについて研究に着手し、in vitroでの虚血再灌流モデルも構築した。今後、このモデル系を用いて、種々の解析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度は、フラボノイドによるフェロトーシス抑制効果のメカニズムを解明するとともに細胞種による効果の違いを明らかにする。また、酸素分圧の変化がフェロトーシスにおいてどのような影響を及ぼすか明らかにする。xCT遺伝子改変マウス作製のためのストラテジーを決め、作製準備を開始する。2名の研究分担者については、引き続きxCTの発現を制御する食品由来成分のスクリーニングを進めてもらう。また、Conrad博士の研究室に派遣して、さらなる研究の加速化を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Helmholtz Institute(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Green cocoon-derived sericin reduces cellular damage caused by radiation in human keratinocytes2024

    • 著者名/発表者名
      Kakihara Nahoko、Sato Momoko、Shirai Ayaki、Koguchi Mizuki、Yamauchi Shiori、Nakano Toshimichi、Sasamoto Ryuta、Sato Hideyo
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 号: 1 ページ: 3068-3068

    • DOI

      10.1038/s41598-024-53712-x

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Sulfur metabolic response in macrophage limits excessive inflammatory response by creating a negative feedback loop.2023

    • 著者名/発表者名
      Takeda H, Murakami S, Liu Z, Sawa T, Takahashi M, Izumi Y, Bamba T, Sato H, Akaike T, Sekine H, Motohashi H*.
    • 雑誌名

      Redox Biology

      巻: 65 ページ: 102834-102834

    • DOI

      10.1016/j.redox.2023.102834

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス胚性線維芽細胞においてフェロトーシスを抑制するフラボノイドの構造相関2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤萌々子、鹿又えみり、加藤成祥、白井綾樹、柿原奈保子、佐藤茉美、佐藤英世
    • 学会等名
      第96回日本生化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] xCT遺伝子欠損胚性線維芽細胞の生存を可能にする食品由来成分の探索2023

    • 著者名/発表者名
      小林翔、阿部槻盛、森靖、柾谷菜弥、五十嵐喜治、佐藤英世
    • 学会等名
      第96回日本生化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 活性化マクロファージはポリスルフィド産生を介して過剰な炎症応答を負に制御する2023

    • 著者名/発表者名
      武田遥奈、村上昌平、高橋政友、和泉自泰、馬場健史、佐藤英世、赤池孝章、関根弘樹、本橋ほづみ
    • 学会等名
      第96回日本生化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 炎症性腸疾患モデルでのxCT阻害による抗炎症作用2023

    • 著者名/発表者名
      岩城英也、関根弘樹、村上昌平、加藤伸史、北村大志、魏范研、佐藤英世、福田真嗣、曽我朋義、角田洋一、正宗淳、本橋ほづみ
    • 学会等名
      第96回日本生化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A serch for ingredients that inhibit ferroptosisi from foods2023

    • 著者名/発表者名
      Sho Kobayashi, Tsukumo Abe, Yasushi Mori, Naomi Abe-Kanoh, Kiharu Igarashi, Hideyo Sato
    • 学会等名
      EMBO Workshop Ferroptosis: When Metabolism meets cell death
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-09-12   更新日: 2024-12-25  

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