研究課題/領域番号 |
23KK0111
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山次 康幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40345187)
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研究分担者 |
岩渕 望 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00888753)
西川 雅展 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (70985184)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 植物ウイルス / 抵抗性 / トマト / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
植物ウイルス病の防除を達成し普及するためには多数のウイルス病に普遍的に対処することが必須である。一方、劣性抵抗性を利用した抵抗性品種開発においては遺伝子本来の機能を損なわずに変異導入を行うことが不可欠である。これらの課題を解決するため、国際共同研究により、機能維持型精密ゲノム編集技術を用いて劣性抵抗性遺伝子の多重変異による画期的な広域ウイルス抵抗性を実用作物に付与することにより、広域ウイルス抵抗性の達成と植物生育への悪影響排除を両立することを目指す。
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研究実績の概要 |
令和5年度は以下の2課題についてそれぞれ実施した。 課題1.モデル植物を利用した広域ウイルス抵抗性付与技術の最適化 本研究では劣性抵抗性遺伝子eIF4E ファミリー(eIF4E、eIFiso4E、nCBP)ならびにEXA1 の多重変異により広域な植物ウイルスへの抵抗性付与を目指すが、令和5年度はモデル植物のシロイヌナズナを用いてeIF4E ファミリー遺伝子を欠損した変異体植物の抵抗性ウイルススペクトラムの解明を試みた。シロイヌナズナのeif4e, eifiso4e, ncbp変異体に5属にわたる広範なウイルス(TuMV(ポティウイルス属)、PlAMV(ポテックスウイルス属)、CMV(ククモウイルス属)、TYMV(ティモウイルス属)、RaMV(コモウイルス属)の接種試験を行い、それぞれのeif4e変異体によってウイルス抵抗性スペクトラムが異なることを明らかにした。また、exa1変異体とeifiso4e変異体あるいはncbp変異体を掛け合わせた2重変異体に対してPlAMVの接種試験を行い、それぞれexa1単独変異体とのウイルス蓄積量に変化がなかったことから、eIFiso4EあるいはnCBPの機能はEXA1と重複していることを明らかにした。 課題2.トマトにおける広域ウイルス抵抗性の付与 課題2は令和6年度以降に共同研究先であるINRAEに研究者を派遣し、研究を実施する予定であるため、令和5年度はその準備作業を行った。2023年10月、11月、2024年3月にオンラインミーティングを行ってお互いの研究進捗状況の情報共有を行うとともに研究者の派遣計画について検討した。その結果、まず2024年9月から半年間研究員をINRAEに派遣することとなり、受入のための準備作業と実験実施計画の策定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1については順調に当初予定した研究計画を消化しており、eIF4E変異体のウイルス抵抗性スペクトラムについて一連の成果が出ている。課題2については令和6年度の研究者のINRAE派遣に向けた準備作業を行い、こちらも順調に作業を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は課題1については予定通りeIF4E遺伝子のシロイヌナズナ多重変異体のウイルス抵抗性スペクトラムを解析する予定である。課題2については9月より研究員をINRAEに派遣し、トマトのゲノム編集実験を開始する予定である。
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