研究課題/領域番号 |
23KK0121
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
櫻井 武司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40343769)
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研究分担者 |
橘 永久 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (70301017)
小此木 悟 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (10911109)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 栄養改善 / 市場 / 季節性 / 野菜生産 / 家計内資源配分 / ジェンダー / サブサハラ・アフリカ / ガーナ / 乳幼児の栄養改善 / 農産物市場 / 意思決定の性差 |
研究開始時の研究の概要 |
サブサハラ・アフリカでは、乳幼児の栄養改善が重要な課題となっている。本研究は、栄養不良が深刻なガーナ北部の農村部を対象に、端境期になると市場から野菜が消えてしまうことが子どもの栄養不良を引き起こしているという問題を取り上げる。その問題への対策として、端境期に野菜を自家生産することが考えられる。そこで、野菜を通じて微量栄養素を摂取することが栄養改善にとって重要であることを子どもの親に知らせるというフィールド実験を行い、情報提供が野菜の自家生産を促す効果があるかどうか、また情報を提供する相手が父親の場合と母親の場合では野菜の自家生産を促す効果に違いがあるのかについて研究を行う。
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研究実績の概要 |
2023年3月に、代表者の櫻井武司、研究分担者の小此木悟、海外共同研究者のReginald Annanの3名は、Ghana北部のタマレ市周辺の農村部で予備調査を行った。
以下のことがわかった。現地で多く栽培され消費されている葉物野菜は、ayoyo leaves (Corchorus olitorious L.)、bra leaves (Hibiscus cannabinus L.) 、okro (Abelmoschus esculentus (L.) Moench.)である。灌漑のある例外的な場合をのぞいて、雨期(5月から8月)にしか栽培することができず、一部を乾燥して保存することもあるが、基本的には栽培時期にしか消費できない。乾期には、灌漑のある地区で生産されたものが市場に出回るが、いつも買えるわけではないので、乾期の野菜消費は雨期と比べてわずかである。
これらの野菜の生産はもっぱら妻の役割であるが、夫から野菜生産のための土地が配分されない場合も多く、その場合は耕地の周辺などを利用して野菜を作っている。購入する場合も、夫から資金をもらう必要がある。したがって、野菜をどれだけ作り消費するかについて夫の意思決定は重要である。しかし、雨期に大量に野菜を作っても、野菜を乾燥するなどして保存しないと、乾期の野菜消費には貢献しない。ただし、乾燥野菜の栄養効果については、まだ十分な情報がない。生産した野菜を換金して乾期に野菜を購入すればよいが、乾期には市場にも十分な野菜がないか、あっても高額である。他方、地元の保健所からの情報では、現地では貧血が深刻な問題である。野菜の消費だけでは(たとえ鉄分を摂取できたとしても)、貧血の解決にはならないので、貧血以外の健康指標を検討する必要がある。以上の情報を元にベースライン調査で聞き取りをする項目を検討することが、次の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに予備調査を実施し、必要十分な知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度中にベースライン調査を実施する。その後のランダム化比較試験(RCT)は2025年の農業生産の開始前に実施する必要があるため、可能であれば2024年度中に実施する。
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