研究課題
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
マダニの唾液には、生理活性物質プロスタグランジンE2(PGE2)が高濃度で存在し、宿主免疫の撹乱や抑制、病原体の伝播を促進していることが明らかとなった。このことは、マダニ唾液中のPGE2の免疫撹乱・免疫抑制作用を打破しない限りは、病原体やマダニなどの媒介動物に対するワクチンによる予防効果は期待できず、疾病制御は達成し得ないことを強く示唆するものである。そこで本研究では、リオグランデ・ド・スル連邦大学とのこれまで蓄積した知見を基盤に、家畜悪性感染症の宿主免疫破綻機序ならびにマダニ唾液の免疫撹乱機序を更に分子レベルで明らかにし、家畜の生産性向上に資する新規疾病制御法の共同開発を目指す。