研究課題/領域番号 |
23KK0126
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松脇 貴志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20447361)
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研究分担者 |
渡辺 雄貴 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (50781788)
中村 吉伸 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (60880317)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2026年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 体温調整 / 延髄 / 体温低下 / エストロゲン / 視床下部 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の体温は生体の恒常性にとって最も重要な因子の一つであり、中枢神経系によって一定範囲の温度に保たれている。我々はこれまでの共同研究で、体温の低下について、視床下部の背内側核の興奮、およびエストロゲンによる感染刺激への感受性の増強という現象を明らかにした。そこで本応募課題では、感染性低体温を誘導する新奇神経回路の同定を主軸とし、中枢神経系によって制御される体温低下機構の総合的な理解を目指す。一方でオプトジェネティクス法により、発熱中枢および体温低下中枢領域への脳幹部からの神経性情報伝達回路を機能的に解析する。その後これらの領域へのエストロゲンの影響について、標的部位および作用機序を解析する。
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研究実績の概要 |
哺乳類の体温は生体の恒常性にとって重要な因子の一つであり、中枢神経系によって一定範囲の温度に保たれている。体温上昇を制御する発熱中枢として視床下部視索前野が古くから知られているが、体温低下の機構は依然として不明な点が多い。我々はこれまでの共同研究の結果から、末梢組織から中枢神経系に感染性の刺激を仲介する経路の一部として知られる延髄橋結合の腕傍核(PBN)によって感染時の体温の上昇/低下の弁別が行われていると仮定して、その機構の解明を目指して本研究に着手した。 2023年度は日本国内の共同研究者ら2名と研究打ち合わせを行った後に連携機関であるスウェーデンLinkoping大学に赴き、共同研究者であるBlomqvist博士との研究打ち合わせ、実験スペースと使用機器の確保、利用する動物施設の確認と利用登録を行った。 実験としては、高い再現性をもって低体温症を引き起こすことができるアセトアミノフェン誘導性体温低下モデルを確立した。また、その際にPBNが強いcFos免疫陽性を呈する、すなわち神経興奮性が高まることを確認した。さらにこの条件で強度の体温低下が引き起こされている個体の脳を採取してスライス状に処理したのちPBNをパンチアウトし、同部位での遺伝子発現状態について、RNA-seqにて対照群であるSaline投与個体との比較を行った。RNA-seqの結果得られたデータは、現在詳細に解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外連携先の共同研究者であるBlomqvist博士とはメールやオンライン会議で密に打ち合わせを重ねており、代表研究者である松脇および日本側の共同研究者のいずれも、先方を訪問し次第動物実験を含めた諸々の実験を速やかに開始できる環境にある。
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今後の研究の推進方策 |
1. RNA-Seqで得られたデータを詳細に解析し、感染性体温低下時にPBNで働く因子を同定する。 2. 同定された因子とcFosとの二重免疫染色を行い、体温低下時に興奮する神経細胞の特性を明らかにする。 3. オプトジェネティクスによって2の細胞群を活性化し、体温低下の再現を試みる。
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