研究課題/領域番号 |
23KK0130
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 千絵 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (40379011)
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研究分担者 |
徳山 奈帆子 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (60779156)
宮部 貴子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (10437288)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
2028年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2027年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ボノボ / チンパンジー / 恒常的な性受容性 / 非侵襲的試料 / 性ホルモン動態 / ウガンダ / コンゴ民主共和国 / フィールド国での分析 / 授乳不妊期 / 性的受容性 / 性生理 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの女性は恒常的な性的受容性を示すが、それがどのように進化したかについては未だに解明されていない。本研究では、ヒト以外で授乳不妊期に性的受容性を示すヒト科Pan属のボノボと、それを示さない同属のチンパンジーを比較することによって、ボノボにおける授乳不妊期の性的受容性の発現メカニズムを解明し、ヒトにみられる恒常的性的受容性の進化の解明の手がかりとする。尿試料を用いた性ホルモン動態の分析、糞プロテオミクス分析による授乳状態の分析、行動観察による性的受容性の変化を分析し、それらの相互関係を分析する。
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研究実績の概要 |
ヒトの女性は恒常的に性的受容性を示す、すなわち妊娠の可能性に関わらず性交を行う。特に、授乳期には授乳による排卵抑制が行われ、授乳期不妊という妊娠の可能性がほとんどない時期にもヒトは性的受容性を示すが、男女のペアとして結びつきを生み出し家族で子どもを養育するという社会構造の進化を生み出した。このような生物の基本原理から大きく外れるヒトの「恒常的な性的受容性」が、どのように進化したかについては未だに解明されていない。ヒト以外で授乳不妊期に性的受容性を示すのは、ヒトに最も系統の近いボノボだけである。ボノボと同属のチンパンジーでは、授乳期には性的受容性を示さない。本研究では、これら2種を比較することで、ボノボにおける授乳不妊期の性的受容性の発現メカニズムを解明する。野生ボノボとチンパンジーを対象に、糞プロテオミクス分析による授乳状態の分析、尿サンプルを用いた性ホルモン動態の分析、行動観察による性的受容性の変化を分析し、それらの相互関係を解析する。ボノボの授乳不妊期における性受容性の性生理的基盤の解明がなされれば、ヒトの恒常的な性的受容性の進化についても重要な手がかりが得られると期待される。本年度は、コンゴ民主共和国における調査は現地フィールドにおける状況のため開始することが難しかったため調査を始めることができなかったが、ウガンダ共和国において、海外研究協力者とともに、現地調査を開始し、試料を採集し始めた。採集した試料は既に日本に持ち帰ってきている。ウガンダ・マケレレ大学の研究室においても実験を行った。野生ボノボの性ホルモン動態の研究に関するレビューを出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コンゴ民主共和国ワンバにおける野生ボノボの調査においては、現地の事情により調査が遂行できなかったため、若干遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ウガンダ共和国カリンズ森林における野生チンパンジーの調査は引き続き行うと共に、コンゴ民主共和国のワンバ地区における野生ボノボの調査については、現地の状況を改善するために首都などで研究協力者との研究連絡を行い、今年度中の調査開始を目指す。昨年度ウガンダから持って帰ってきた試料については、今年度分析を始める。
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