研究課題/領域番号 |
23KK0133
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富田 泰輔 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30292957)
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研究分担者 |
金井 求 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20243264)
堀 由起子 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80610683)
マラフスカ カタジナ・ヨアンナ 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特別研究員 (90986374)
巽 俊文 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (80868232)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2026年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 認知症 / アミロイド / オートファジー / 細胞連関 / タンパク分解 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質が異常に凝集してアミロイドを形成し細胞内外に蓄積することが、様々な神経変性疾患共通の発症原因と考えられている。本研究においては研究代表者らが独自に開発した光酸素化触媒を用いた細胞内酸素化アミロイド除去機構について、海外共同研究体制によりオートファジーが介在するメカニズムの解明を目的として研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
タンパク質が異常に凝集してアミロイドを形成し細胞内外に蓄積することが、様々な神経変性疾患共通の発症原因と考えられている。申請者らはこれまで独自に、光エネルギーを用いてアミロイドを酸素化修飾する光酸素化触媒を開発し、「酸素化によるアミロイドの凝集抑制と除去」という基本コンセプトを確立した。本連携研究研究においては、特にHis残基酸素化によるオートファジー機構を介した分解促進という観点から、生体内での酸素化というアミロイド動態制御法のproof of conceptを示すことを研究目的とする。特に酸素化による「分子的変容に対する生体側の応答」という観点から特にオートファジーに着目し研究を遂行する。当該年度においては、スウェーデンの研究グループにおいて樹立されたオートファジー欠損タウ蓄積モデルマウスによってその薬効を検証するための基礎的実験として通常のタウ蓄積モデルマウスを用いてその薬効評価とシングルセルRNAシーケンス解析を行った。その結果、ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞応答が大きく変化していることが明らかとなった。一方、脳へ直接酸素化タンパクをインジェクションする実験により細胞外タウアミロイドへの影響を検討したところ、酸素化の有無は特に細胞外タウの代謝速度を変化させなかったことから、神経細胞内でのタウ代謝が変化していることが推測された。更 にCSF1R阻害剤を用いたミクログリア欠失実験を行い酸素化の影響を検討したところ、ミクログリア欠失時には神経細胞内タウアミロイドの代謝が変化しなかった。これらの結果は神経細胞内でのオートファジー経路の活性化にミクログリアが関わっていることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本、スウェーデンそれぞれのグループで準備を順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果より、神経細胞とミクログリアの機能的細胞連関が酸素化による神経細胞内オートファジーの亢進に関わっていることが示唆された。今後スウェーデングループにおいて樹立されているオートファジー欠失マウスを用いて同時に遺伝学的な解析を行うことで更にその相互作用について明らかとなることが期待される。
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