研究課題/領域番号 |
23KK0137
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 教郎 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20447254)
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研究分担者 |
関根 弘樹 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (50506285)
佐藤 浩司 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (60888650)
田中 哲洋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90508079)
中井 琢 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90971193)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2025年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2024年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / ヒト初代培養細胞 / 単一細胞解析 / 低酸素応答 / 糖尿病生腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓病患者数は世界人口の1割を超えているが、効果的治療法が確立されていない。研究代表者らは、遺伝子改変マウスを用いた研究から、低酸素および酸化ストレスに対する生体応答機構の破綻が腎臓病の発症と進行に深く関与することを示した。本研究では、低酸素応答機構の活性化による臓器保護機序の解明を目的として、腎臓病患者の尿中に存在する腎由来生細胞を用いた解析を実施する。研究代表者らは、尿中落下細胞が様々な種類の腎細胞を含んでおり、患者個別の病態理解や薬剤応答性の予測に有効であることを確認した。また、海外研究者らの膨大な患者情報を活用することにより、腎臓病の分子病態理解と革新的治療法確立に直結する成果を得る。
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研究実績の概要 |
世界人口の1割以上が腎臓病に罹患しており、増加し続けている。しかし、腎臓病の病態や病因は複雑であり、病態理解が進んでおらず、効果的治療法が確立されていない。これまでに研究代表者らは、遺伝子改変マウスを用いた研究を実施し、腎障害では低酸素および酸化ストレスに対する生体応答機構が破綻し、腎臓病が進行することを示してきた。一方、海外共同研究者らは、肥満や糖尿病によって発生する活性酸素種が低酸素応答機構を破綻させ、腎障害の原因となることを発見し、低酸素応答機構の活性化剤が腎保護につながることを明らかにした。低酸素応答機構の活性化剤は、赤血球造血因子エリスロポエチンの産生を誘導する薬剤として、すでに貧血治療に用いられているが、臓器保護の作用機序は不明である。そこで本研究では、低酸素応答機構の活性化による臓器保護機序の解明を目的として、腎臓病患者の尿中に存在する腎由来生細胞を用いた解析を実施する。また、腎臓病の分子病態理解と革新的治療法確立に直結する成果を得ることを目指している。初年度には、尿中落下細胞が様々な種類の腎細胞を含んでおり、患者個別の病態理解や薬剤応答性の予測に有効であることを確認した。また、海外研究者側に大学院生を派遣し、現地での患者情報の収集を開始した。さらに、尿中落下細胞から新たなヒト腎臓由来の細胞株を樹立することを試みており、尿細管上皮細胞や間質線維芽細胞の不死化に成功し、クローニングを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外研究者側に大学院生を派遣し、尿中落下細胞の採取に向けた準備を開始した。また、尿中落下細胞に様々な腎臓由来の細胞が含まれていることを確認し、それらの細胞を不死化することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
尿中落下細胞の収集を進め、低酸素応答機構の活性化剤(HIF-PH阻害剤)に対する尿中落下細胞の応答性を網羅的遺伝子発現解析およびメタボローム解析により調べる。また、単一細胞レベルでの解析を実施し、ヒト腎臓においてHIF-PH阻害剤の標的となる遺伝子と細胞の同定を試みる。
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