研究課題/領域番号 |
23KK0155
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 教授 (90559890)
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研究分担者 |
津谷 康大 近畿大学, 医学部, 教授 (10534985)
小原 秀太 近畿大学, 医学部, 助教 (20813926)
須田 健一 近畿大学, 医学部, 講師 (30631593)
濱田 顕 近畿大学, 医学部, 講師 (80772954)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 早期肺腺がん / マイクロバイオーム / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
肺がんはがん死因第一位で、半数以上が肺腺がんである。肺腺がんの進行は緩徐だが、稀に急激に進行する。予測不能な進行を恐れて、度重なるCT検査や早期治療介入が行われるため、進行機序の解明と対策は急務である。がん進行は、がん細胞自体でなく、腫瘍微小環境や宿主免疫能が重要で、宿主免疫に影響する腸内細菌叢や、腫瘍発生・進行に影響する局所細菌叢などのマイクロバイオームが注目される。本研究では早期肺腺がんとマイクロバイオームの研究で世界をリードする海外共同機関において、種々の網羅的解析から肺腺がん進行の機序解明を試み、その克服法を開発に繋げ、肺腺がんに対するプレシジョン・メディシンの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
前がん病変から多段階に進むとされる早期肺腺がんの進行は通常緩徐だが、稀に急激に進行する場合もある。そのため予測不能な進行を恐れて、度重なるCT検査や早期治療介入が行われることがあり、肺腺がんの進行の機序の解明とその対策は急務となっている。近年、がんが進行する原因として、がん細胞自体の異常だけでなく、腫瘍微小環境や宿主免疫能が重要であり、宿主免疫に影響する腸内細菌叢や、腫瘍発生・進行に影響する局所細菌叢などのマイクロバイオームが注目されている。本研究では、早期肺腺がん・マイクロバイオームについて、臨床検体を用いて多角的な網羅的解析から肺腺がん進行の機序解明を試み、同定した機序に関する基礎的検討を行うとともに、その克服法を開発することで、肺腺がんに対するプレシジョン・メディシンの確立を目指す。 本研究は、#1 早期肺腺がん臨床サンプルの前向き収集と網羅的解析手法の確立、#2 がん細胞および細菌叢の網羅的解析による肺腺がん進行の機序の同定、#3 肺腺がん進行機序に関する基礎的検討とその克服法の開発と、画像診断AIによる肺腺がん進行予測モデルの構築、を検討する。 初年度は、早期肺がん手術症例に対して、肺がんと正常肺の凍結標本(OCTコンパウンド)、糞便、の採取を行うため、サンプル取集のプロトコールを改変・作成し、サンプル収集を開始し、現在、15例サンプル収集が完了している。呼気については、サンプル収集用機器の選定を見直しており、現状では収集できていない。上記で収集済みのサンプルを海外共同研究期間に送付し、プレリミナリーな解析を行う予定であったが、共同研究期間独自にプレリミナリーな解析を行っており、現状ではすぐに送付する予定はなくなっている。マイクロバイオームの網羅的解析については、近畿大学内でも可能であることが判明し、プレリミナリーな解析を行うべく、現在調整中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺がん、正常肺の凍結検体、糞便のサンプル収集は順調に進んでいる。呼気サンプル収集の機器選定の見直しが必要となり、本件は進んではいないが、マイクロバイオームの網羅的解析は近畿大学でも実施可能であることが判明し、プレリミナリーな解析の開始を目指して、現在準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、引き続き、肺がん、正常肺、糞便のサンプル収集を続けていく。また、研究責任者は、近畿大学から大阪公立大学に次年度異動となるが、近畿大学と連携し、また大阪公立大学でも倫理審査で承認されたのちにサンプル収集を開始する予定であり、収集されればValidation研究を行う計画である。呼気サンプル収集については、適切なサンプル収集ができる機器の再選定を行う予定である。また、収集済みの検体を用いて、マイクロバイオームのプレリミナリーな解析を近畿大学で実施する。サンプル数が増えた時点で、シングルセルRNAシークエンス解析、空間的発現解析などの実施を考慮して、海外共同研究施設に研究分担者の濱田(次年度)→小原(最終年度)の順に渡航する計画である。
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