研究課題/領域番号 |
23KK0157
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小谷 友美 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70359751)
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研究分担者 |
牛田 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90805152)
伊吉 祥平 名古屋大学, 高等研究院(医), 特任助教 (90980566)
松尾 聖子 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40989703)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2026年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 癒着胎盤スペクトラム / ペプチド / 妊娠高血圧腎症 / Feto-Maternal Interface / 微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では約1/13人が生殖補助医療(ART)で誕生する。ART妊娠に多い合併症に、癒着胎盤スペクトラム及び妊娠高血圧腎症がある。いずれも母児間境界面における絨毛細胞(胎児)と間葉系脱落膜細胞(母体)との相互作用による胎盤絨毛浸潤異常(各々過剰・不全)が関与する。母児間境界面を一つの包括的環境基軸と見なし、「胎児-母体間の細胞コミュニケーション」をつなぐ主要な媒体であるペプチドに着目する。 Schilling博士(フライブルグ大学)との国際共同研究を通して、ターゲットプロテオミクス解析を用いて機序を解明し、ペプチダーゼ阻害剤の創薬につなげ、ART妊娠女性への新たな治療開発を目指す。
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研究実績の概要 |
癒着胎盤の増加が妊娠母体の合併症として重篤であるため問題となっている。前置癒着胎盤は超音波検査により、事前に疑うことが可能となっており、オーバートリアージを許容すれば集学的管理により安全な管理が確立しつつある。一方常位癒着胎盤については、スクリーニング自体が困難であり、分娩後診断と同時に大量出血の管理を強いられることになる。常位癒着胎盤における生殖補助医療の関連を検討し、その中の凍結胚移植後妊娠に多いことを示し、さらに、ホルモン補充周期が、癒着胎盤のリスクが高くなる因子として抽出された。また、人工妊娠中絶既往、頸管長スクリーニング時に前置胎盤疑いの指摘を受けたものの分娩時には常位胎盤となった症例、移植時内膜が8mm未満であった症例、経産婦、多嚢胞性卵巣症候群、妊娠中の絨毛膜下血腫の存在が常位癒着胎盤に関連する因子として同定された。この成果を論文にまとめ投稿した。癒着胎盤スペクトラムおよびPreeclampsia血清についてターゲットプロテオミクス解析を用いて、Feto-Maternal Interfaceの遊離型ペプチダーゼによる生理活性ペプチドの代謝パターンから基質ペプチド特異的に胎児絨毛細胞浸潤の促進・抑制に作用する母体脱落膜由来因子を同定すること、また、PASやPreeclampsiaを発症した妊婦の発症前の血清や脱落膜細胞サンプルについて、ショットガンプロテオミクスを用いて網羅的に分析し、対照となる健康妊婦血清と比較した上で、絨毛浸潤機構に関与する液性因子を、遊離型ペプチダーゼと対象ペプチドを中心に抽出をフライブルグ大学で実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床データからFeto-maternal interfaceの差異が癒着胎盤スペクトラムの病態機序に関与しているという仮説を裏付けることができた。
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今後の研究の推進方策 |
フライブルグ大学での共同研究のため研究室訪室し、解析をさらに発展させることができないか検討する。
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