研究課題/領域番号 |
23KK0161
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今里 聡 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (80243244)
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研究分担者 |
北川 晴朗 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50736246)
北川 蘭奈 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (70711068)
LARANJEIRA・ABE GABRIELA 大阪大学, 大学院歯学研究科, 特任助教(常勤) (30964952)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 歯学 / 歯科材料学 / バイオフィルム / 細胞外DNA / 抗菌性 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、これまで、抗菌成分の非溶出型と溶出型の2つのデザインで、歯科材料に抗菌性を付与する技術を確立してきた。本研究では、研究代表者らが確立した抗菌性ポリマーを用いた細菌標的型の抗菌技術に、バイオフィルムの菌体外マトリックス内に存在するDNA(eDNA)を分解する酵素(NucB)を用いた菌体外マトリックス標的型のバイオフィルム制御技術を導入することで、細菌と菌体外マトリックスの双方を標的とする新たなバイオフィルム制御材料技術の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、まず、細菌標的型の抗菌成分固定化レジンとして、抗菌性レジンモノマーである2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(METAC)を市販コンポジットレジンであるグレースフィルゼロフロー(GC)に6 wt%添加し、METAC配合コンポジットレジンを作製した。 つづいて、METAC配合コンポジットレジンの硬化体表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、表面に局在している直径5μm程度の低輝度領域が観察された。さらに、エネルギー分散型X線分光法による元素マッピングを行ったところ、METAC配合コンポジットレジンの表面では、METAC由来の対イオンである塩素が密に分布する部位が認められ、この部位が走査型電子顕微鏡像により観察された低輝度領域に一致していることが確認された。次に、顕微ラマン分析により走査型電子顕微鏡像により観察された低輝度領域の重合度を解析したところ、モノマー状態のMETACに比べてC=C二重結合のピークが減少していることが確認された。これらの結果から、METAC配合コンポジットレジンの表面においてpoly(METAC)が高密度に局在する部位があることが確認された。また、METAC配合コンポジットレジンの硬化体を蒸留水に28日間浸漬し、溶出液中のMETAC濃度を高速液体クロマトグラフィにより解析したところ、METACが検出されなかったことから、抗菌成分であるMETACがコンポジットレジン上で固定化されていることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究実施計画に則り、抗菌成分固定化レジンの作製に成功し、当初想定していた通りの結果が得られた。 以上のことから本研究の進捗は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に得られた結果に基づいて抗菌成分配合コンポジットレジンの抗菌効果の検討、およびeDNA分解酵素担持粒子の作製を行う。
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