研究課題/領域番号 |
23KK0163
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
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研究分担者 |
早野 暁 岡山大学, 大学病院, 講師 (20633712)
ハラ エミリオ・サトシ 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (40779443)
吉川 友理 岡山大学, 大学病院, 医員 (80972760)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2025年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | バイオアクチュエーター / メカニカルストレス / トランスクリプトーム解析 / 骨細胞 / 時間空間的トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
骨組織は周囲環境の力学刺激に応じて形態や機能を調節することの出来る高い適応性を有する。その理由の一つは、骨細胞が力学刺激を感知し、骨細胞ネットワークを介したメカノトランスダクションシグナル伝達によって、骨リモデリングを誘導するためである。しかし、これらの力学刺激に対して骨組織の応答能力およびそのシグナル伝達については不明な点が多く、これを解明するには単一骨細胞への力学刺激の付与を骨の中で行う必要がある。そこで、本研究では骨組織中に存在する生きた骨細胞に局所的な力学刺激を加える新たな手法を開発し、骨メカノトランスダクション分野において、骨基質中での細胞応答の研究に飛躍的な発展を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はEdwin Jager教授の研究グループからJager教授他2名の研究者を所属するリンショーピン大学より招き2023年10月に岡山-スエーデン国際共同研究キックオフシンポジウムを岡山大学歯学部で開催した。シンポジウムでは今後の研究打合せ、両大学で行うことのできる研究内容の確認を行った。また、2週間の滞在期間中に本研究で用いるニードルタイプのバイオアクチュエーターを用いた実験をおこなった。このバイオアクチュエーターは、直径500マイクロメートルの先に電圧の変化に応じて膨張率が変化するポリマー(PPy)をコーティングしたものである。このバイオアクチュエーターは細胞に機械的刺激を局所的に与えるために開発された。今回の実験では、具体的には、このバイオアクチュエーターをゲル中に培養したKUSA細胞およびMC3T3細胞の近隣に設置して12種類の各種機械的刺激を与えて、それぞれの全細胞を単離回収した。その後シングルセル解析を行う予定である。すでにこのバイオアクチュエーターの作成に関してはスエーデンのグループが2024年1月ドイツで開催されたEuroEPA 2024で共同研究の成果として発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先に述べたように、本年度はEdwin Jager教授の研究グループからJager教授他2名の研究者を所属するリンショーピン大学より招き2023年10月に岡山-スエーデン国際共同研究キックオフシンポジウムを岡山大学歯学部で開催した。また、2週間の滞在期間中に本研究で用いるニードルタイプのバイオアクチュエーターを用いた実験をおこなった。その後シングルセル解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今回回収したサンプルを用いて委託先に解析の打合せを行ったところ、追加して必要な実験データがあることがわかった。そこで、再度2024年10月にスエーデンから研究者1名を招聘して、追加の実験を行うことになった。この結果により、機械的刺激を受けた細胞同士の遺伝子発現の詳細な過程が判明すると思われる。これらのin vitroでの細胞の応答を確認したのちに、マウスやニワトリ胚の頭蓋骨にバイオアクチュエーターを刺入してトランスクリプトーム解析を行う。さらに、刺激を与えた周囲における細胞の細胞間コミュニケーションの変化についても解析を予定している。2024年8月に申請者が10日間スエーデンのリンショーピン大学でニードルタイプのバイオアクチュエーターの改良に関して打合せと試作品の作成を行う予定である。
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