研究課題/領域番号 |
23KK0169
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 英子 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10432262)
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研究分担者 |
西野 公博 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80801448)
INTHAPHATHA SOUPHALAK 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(医), 特任助教 (30962865)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
21,060千円 (直接経費: 16,200千円、間接経費: 4,860千円)
2028年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2027年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 産後うつ / ラオス / カンボジア / 開発途上国 / アジア |
研究開始時の研究の概要 |
母児の心身の健康に影響する産後うつ病は重要課題として国際社会に認識されているが、開発途上国では精神科医療の提供体制は未整備であり産後うつ病は広く認識されていない。しかし、途上国では罹患率が高いことが示唆されているため、アジアの途上国(ラオス、カンボジア、モンゴル、ベトナム、インドネシア、マレーシア等)の研究者らと連携し、各国における産後うつ病のスクリーニング法の確立、罹患率および危険因子の解明、予防対策の検討を本研究で行う。さらに、全データをアジアにおける産後うつ病の大規模データとして解析する。各国研究者との絆の強化、共同研究への発展、および日本と途上国の研究者の育成も目指す。
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研究実績の概要 |
ラオスにおいては以下の2つを行った。(1)ラオスのVientiane州、Bolikhamsai州、Khammouane州においてそれぞれ200名ずつ、合計600名の産後女性より社会人口統計学的因子、産科学的因子、エディンバラ産後うつスコア(EPDS)のデータ収集を行った。ラオス公衆衛生院における倫理委員会の承認後、各州の保健局および州立病院の医師や看護師がコミュニティーや病院を訪問し、データ収集を行った。(2)ラオスの首都ビエンチャンの4つの中央病院において産婦人科医師と看護師・助産師と面談し、2019年に4病院で調査した産後うつの相関因子の結果を説明したのち、調査結果および産後うつについてディスカッションを行った。 カンボジアにおいては、シェムリアップ州の州立病院および州保健局を訪問し、産婦人科医師、看護師、助産師と産後うつに関するディスカッションを行った。カンボジアでは妊婦健診や分娩は州立病院でも行うが、産後健診はすべてヘルスセンターで行うため、産後女性からのデータ収集に州立病院は不適切であるということが分かった。カンボジアの研究協力者と相談し、コンポンチュナム州のヘルスセンターにおいてデータ収集を行うこととした。質問調査票とEPDSをクメール語に翻訳、バックトランスレーションを行った。保健省における倫理員会の承認を得て、データ収集準備を行った。 今後は、ラオスの3州で収集したデータのクリーニングおよびデータ解析を行い、産後うつ病有病率、相関因子を明らかにする。ラオスの中央病院の妊婦健診において、妊婦の産後うつスクリーニングや教育をどのように行うのがよいのか日本人助産師を含め検討する。カンボジアにおけるデータ収集を行い、データクリーニング後にデータ解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラオスおよびカンボジアにおいて、産後6-8週の女性を対象としたデータ収集を行うまたは行う準備を計画としていた。ラオスにおいては以下の2つを行った。(1)ラオスのVientiane州、Bolikhamsai州、Khammouane州においてそれぞれ200名ずつ、合計600名の産後女性より社会人口統計学的因子、産科学的因子、エディンバラ産後うつスコア(EPDS)のデータ収集を行った。(2)ラオスの首都ビエンチャンの4つの中央病院において産婦人科医師と看護師・助産師と面談し、2019年に4病院で調査した産後うつの相関因子の結果を説明したのち、調査結果および産後うつについてディスカッションを行った。カンボジアにおいては、シェムリアップ州の州立病院および州保健局を訪問し、産婦人科医師、看護師、助産師と産後うつに関するディスカッションを行った。 カンボジアでは妊婦健診や分娩は州立病院でも行うが、産後健診はすべてヘルスセンターで行うため、産後女性からのデータ収集に州立病院は不適切であるということが分かった。カンボジアの研究協力者と相談し、コンポンチュナム州のヘルスセンターにおいてデータ収集を行うこととした。質問調査票とEPDSをクメール語に翻訳、バックトランスレーションを行った。保健省における倫理員会の承認を得て、データ収集準備を行った。以上より、おおむね当初の計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ラオスのVientiane州、Bolikhamsai州、Khammouane州における産後女性600名から収集したデータをクリーニング後、解析し、産後うつ病の有病率および相関因子を明らかにする。ラオスの中央病院において産婦人科医師や看護師からの意見として、妊婦健診中にどのようにスクリーニングを行い妊婦に教育を行うのがよいのか、という課題については、研究分担者の助産師とともに現地において介入方法を検討する。カンボジアはカンポンチュナム州のヘルスセンターで産後女性からデータを収集し、データ解析を行う。今後はインドネシア、ベトナム、モンゴル、マレーシアでのデータ収集を計画するが、計画通り行えない場合には調査対象国としてミャンマー、アフガニスタンを追加する可能性がある。
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