研究課題/領域番号 |
23KK0186
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
服部 宏充 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (50455581)
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研究分担者 |
阿部 俊彦 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00608466)
吉添 衛 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (70982304)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2027年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2026年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルチエージェントシミュレーション / 都市デザイン / エージェントモデリング / タンジブルインタフェース / 社会シミュレーション / 社会システムモデリング / 参加型デザイン / マルチエージェントシステム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、米国マサチューセッツ州のケンブリッジ市とマサチューセッツ工科大学(MIT)による都市域の再開発計画と連携し、多様なステークホルダーの意見を取り入れながら環境への配慮や交通の効率化などの社会的要請に応えるための、人間中心の都市空間デザイン環境を実現する。本環境は、人間がインタラクティブに操作可能な都市空間デザインプラットフォームと、都市空間での群衆動態を計算するマルチエージェントシミュレーションから成る。本環境で、人間が介在する都市空間デザインと動態解析を繰り返す事で、ステークホルダーのニーズを取り入れ社会的にも望ましい都市デザインを導出し、地域再開発プランとして活用する事を目指す。
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研究実績の概要 |
「人間が介在可能なインタラクティブMAS環境の構築」について、マルチエージェントシミュレーション(MAS)と、MAS環境の操作を実現するためのソフトウェア(CityScope)を接合する研究開発を行った。ここでは、1)システム運用のための、シミュレーション投影用テーブル、投影用プロジェクター設置什器、および情報表示用ディスプレイが一体化した筐体を作成し、2)MAS環境上の構造物に対応したLEGOブロックを動かす事による環境操作とMASの連携機能を実現し、架空の都市空間をユーザが操作可能なPlayGroundとなる環境を実現した。 「生成的手法に基づく都市空間デザイン探索手法の確立」について、対象地域の自治体関係者との協議を開始し、具体的な探索空間を定義するための共同作業を遂行中である。 「ステークホルダー参加型の都市空間デザインの実践」について、シミュレーション技術に関する一般市民の意見を収集すると共に、MASを基盤としたまちづくりツールの実用可能性について検討するため、一般車両と歩行者が集まる最寄り駅周辺地域における交通課題を対象とし、作成したシミュレーション運用筐体を活用した社会実験を実施した。MAS上で表現した複数の施策を各々のパラメータと共に適宜切り替えながら施策の実施効果の確認や比較を行う実験を通して、一般市民からのMAS、およびそのまちづくりへの応用に関する意見を収集することができた。 また、MIT MediaLab CityScienceグループとの間で、高層ビル群の建築を想定したエリアにおける都市設計を問題としたMASについて、具体的なシナリオの策定について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・今後の研究において不可欠な物理的な筐体を作成し、運用するソフトウェアの開発の進捗と併せて今後の研究のための基盤環境が整備できた。 ・都市空間デザインの実践にむけて、MASを活用した施策効果検証を題材とした社会実験を実施し、市民参加型のシミュレーションに基づく都市空間デザインに向け、当該社会実験の対象地域の自治体との協力関係を構築できた。
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今後の研究の推進方策 |
「人間が介在可能なインタラクティブMAS環境の構築」について、PlayGroudとして構築した環境において、MASとCityScopeのタンジブルインタフェースの連携機能を完成させ、実践的なシミュレーションシナリオの下での利用を可能とする。 「生成的手法に基づく都市空間デザイン探索手法の確立」について、自治体関係者との協議を経て探索空間を確定させ、遺伝的アルゴリズムに基づく準最適解、ならびにその周辺の解を都市空間のデザイン解として得る機能に結実させる。 「ステークホルダー参加型の都市空間デザインの実践」について、具体的なシミュレーションシナリオを策定し、インタラクティブMAS環境を利用したワークショップなどを重ね、実践的利用のための洗練化を進める。 MIT MediaLab CityScienceグループとの連携について、高層ビル群を含む地域再開発でのMASのシナリオを策定し、具体的なモデリングおよびシミュレーションの実装と検証を進める。
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