研究課題/領域番号 |
23KK0198
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松本 晶子 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80369206)
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研究分担者 |
香坂 玲 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50509338)
祖父江 侑紀 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50844966)
岡野 雄気 琉球大学, 国際地域創造学部, 講師 (50965960)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,670千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 4,770千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 参加型科学 / OCEM / 動物モニタリング方法 / 観光客写真 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、観光客を市民科学者として採用し、観光客がサファリツアー中に撮影した動物写真が、従来のカメラトラップやライントランセクト調査と比較して、同等の野生動物の個体数推定値を提供するかどうかを検討することにより、モニタリングへの観光客活用の可能性を探ることである。野外調査は、ケニア中部ライキピア郡の民間保護区で実施する。これらの成果をもとに、国内外の国際機関に生物多様性保全活動における観光者教育の重要性を提言するとともに、ケニア国立博物館に新しく観光者教育のしくみを組織的に作ることをめざす。
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研究実績の概要 |
「生物多様性条約(CBD)」には196ヵ国が批准しているにもかかわらず、世界的に生物多様性の喪失が進んでいるという現状がある。この原因の1つとして、広範囲の地域を利用する野生の大型ほ乳動物には、既存の保護区のほとんどが規模が小さすぎることが指摘されている。そこで、野生動物の生息環境として、民間地の利用に注目が集まっています。しかし、小規模な民間保護区では、モニタリングのための経済的・人的資源は限られているため、ほとんどの保護区で基本的なモニタリング調査すら困難な実態がある。民間保護区を増やすためには、これらのコストを引き下げる方法の開発が必要である。豊かな野生生物が生息するアフリカ地域では、野生動物をみるサファリツアーが主要な産業の1つとなっている。観光客は、市民科学者として、保護区内の野生生物のモニタリングに貢献できる潜在的な存在だと考えられる。 本研究の目的は、観光客を市民科学者として採用し、観光客がサファリツアー中に撮影した動物写真が従来のカメラトラップやライントランセクト調査と比較して、同等の野生動物の個体数推定値を提供するかどうかを検討することである。2023年度には調査許可申請を行う。近年、ケニアで野生動物調査を実施するためには複数の政府機関から関連する調査許可を受ける必要がある。2-3月(乾期)には、ケニアで予備調査を実施する。30あるOCEMから、目的に最も合致する調査候補地を選定する。また、予備調査までにトラップカメラやGPSを購入し、3つの動物密度調査方法についての予備調査を野外で実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査許可関連として、ケニアで動物調査とアンケート調査をするために必要な許可のうち、野生生物研究訓練研究所(WRTI), ケニア国立科学技術研究所(NACOSTI)の申請を2023年9月からおこなった。 野外調査については、2024年3月にケニア・ライキピア郡で予備調査を実施し、30個あるOCEMのうち4つを訪問して調査候補地を選定した。本研究では観光客から写真提供を求めるため、OCEM内の宿泊施設の協力も必要であることが判明したため、宿泊施設から本社へ依頼することとなった。また、ケニアでは、野生動物の利用する道沿いにトラップカメラを設置し、設置条件、撮影間隔、撮影画像の種類、密度推定に利用する動物種などの調整・決定をおこなった。トラップカメラで撮影した動画については、動物種、撮影日時、撮影場所などの解析を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
調査許可関連では、野生生物研究訓練研究所(WRTI)に調査許可の申請を行った際に、野生生物資源の利用に関する事前通告と同意手続き(PIC)と相互合意条件(MAT)の提出も必要であることが判明したため、2024年度にはこの2つの許可申請をおこなう。また、WRTIの調査許可条件にケニア人学生のトレーニングが追加されたことから、研究協力者となるケニア人学生を採用する手続きをおこなう。宿泊施設との研究協力について進捗状況を確認する。 野外調査については、8-9月の乾期に実施する。それまでに調査候補地を確定する。調査は3つの方法(観光客からの写真提供、カメラトラップ調査、センサス調査)について1週間ほどの予備調査を実施したのち、本調査を1か月実施する。 データ解析については、調査地の植生被覆率をGISで求める。3つの方法で得られたデータから、動物密度を推定する。
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