研究課題/領域番号 |
23KK0199
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
宮内 啓介 東北学院大学, 工学部, 教授 (20324014)
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研究分担者 |
井上 千弘 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30271878)
黄田 毅 東北学院大学, 工学総合研究所, 研究員 (40727442)
WANG JIAJIE 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (60875467)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学総合研究所, 客員教授 (80194033)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ヒ素汚染 / ヒ素浄化 / メコンデルタ / 地下水 / ヒ素汚染浄化 / 亜ヒ酸酸化 / 地下水浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
メコンデルタの地下水ヒ素汚染現地(カンボジア)に設置した地下水ヒ素浄化実験装置を用いて現地適合性を実証する研究を行う。また、本地域における水需要として量的に大きい灌漑農業用水の確保のために、上記地下水ヒ素浄化技術を適用し、浄化のための最適プロセスを確立する。本研究では、ヒ素浄化に必要な亜ヒ酸酸化のための微生物担体としてコークスを用いるが、コークスとヒ素の間の脱着機構を明らかにすることと、コークス表面で亜ヒ酸酸化に関与する微生物の同定を行うことで、本システムの科学的基盤を形成する。さらに、汚染水の浄化によって生じるヒ素と鉄の共沈物中のヒ素を固定化する方法を開発し、その安全性とリスク評価を行う。
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研究実績の概要 |
ベトナム、カンボジアなどのメコンデルタ地帯における、地層由来のヒ素による地下水汚染問題に対して、低コスト・省エネの地域結合型新規浄化技術の開発を目標として、海外の研究者と共同で研究に取り組んでいる。具体的には、還元状態にあるために亜ヒ酸が多く含まれる地下水を、コークスを通じることによってヒ酸に酸化し、同じく地下水に含まれる鉄イオンと共沈させることでヒ素を除去する技術を開発する。カンボジアにおいては、カンダール省のKompong Kong高校に設置した処理装置について、1ヶ月に1回水質測定を行い、その効果を確認した。装置は、原水を貯めるタンクと、その下流にコークスを詰めたタンクを用意し、原水は、コークス槽上部に散水するように供給した。コークス槽の下部から出た水は、砂利で粗ろ過(砂利を入れたタンクの下部から処理水を通し、上部に出たFlow-throughを次の工程に流す)した後、低速砂ろ過処理を行い、ヒ素浄化処理水とした。この装置を用いることで、175-250ppb(そのうち亜ヒ酸は0-80ppb)の地下水ヒ素濃度がカンボジアのヒ素の水質基準である50ppbにまで安定的に低減できることを示すことができた。同時に、鉄とマンガンについても、カンボジアの水質基準以下、またはそれに近い値まで低減させることができた。また、農業用水用の処理装置を設置する場所について、カンボジアおよびベトナムにて話し合いを行い、カンボジアでは現地の調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、稼働中のヒ素除去装置について運転と水質調査を行うことができた。また、農業用水用の装置の設置、ヒ素と鉄の共沈物の焼結によるヒ素の固定化について、海外の共同研究者と現地で打ち合わせをすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
プノンペン近郊の小学校に設置したヒ素浄化装置について、稼働させながら水質の調査を行う。農業用水用の浄化装置についても、設置を行う予定である。また、鉄とヒ素の共沈物の焼結についても、実験をスタートさせたい。
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