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アンチファウリングペプチド固定化技術による体外設置型VADハウジングの血液適合化

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0204
研究種目

国際共同研究加速基金(海外連携研究)

配分区分基金
審査区分 中区分90:人間医工学およびその関連分野
研究機関関西大学

研究代表者

柿木 佐知朗  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (70421419)

研究分担者 岩崎 泰彦  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (90280990)
奥野 陽太  関西大学, 化学生命工学部, 助教 (60964814)
上田 正人  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (40362660)
高井 真司  大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (80288703)
橋本 朋子  信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10589930)
研究期間 (年度) 2023-09-08 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
2026年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワード血液適合表面 / アンチファウリングペプチド / 人工心臓ハウジング / オリゴプロリン / 体外設置型補助人工心臓 / 血液適合性 / アンチバイオファウリング / 表面改質
研究開始時の研究の概要

重症心不全の小児患者にとって体外設置型補助人工心臓(VAD)による機械的循環補助は唯一の選択肢となるが、VAD留置直後に血液ポンプハウジング内で生じる超微小血栓が惹起する血栓症が課題である。
本研究では、研究代表者らが独自に開発した新規アンチバイオファウリング分子であるオリゴプロリンを用いて、海外共同研究者らが開発している新規VADの血液バッグハウジングの血液適合化を目指す。

研究実績の概要

2023年度は、オリゴプロリン誘導体の合成とポリウレタン試料へのコーティングに取り組んだ。ポリウレタン製人工心臓ハウジングにアンチバイオファウリングペプチドであるオリゴンプロリンを修飾する際、現行法(金-チオール結合)では貴金属の中間層の作製が必須となる。そこで、オリゴプロリンをポリウレタン試料表面に直接かつ簡便にコーティングすることを目的として、親水性のオリゴプロリンに疎水性の中鎖脂肪酸を導入した誘導体を設計・合成した。汎用のFmoc固相法で、オリゴプロリン(Pro9)のN末端にアルキル鎖長の異なる中鎖脂肪酸(C16~24程度)を導入した誘導体を合成できた。この誘導体はアルコールに溶解し、特にC18程度以上のアルキル鎖を導入したものは水不溶性を示した。そこで、これら誘導体の各種アルコール溶液を調製し、ポリウレタン基材に滴下、乾燥後、水に浸漬して経時的に表面の静的水接触角を測定したところ、特定の条件で水溶性の低い誘導体をコートした表面では1週間程度、20°程度の水接触角を維持した。これら誘導体をコートしたポリウレタン表面にヒト血小板を播種したところ、未コート試料と比較して血小板の粘着数が小さくなる傾向が認められた。脂肪酸のアルキル鎖長とオリゴプロリンの親疎水性のバランスがコーティング層の安定性や血漿タンパク質の吸着抑制能に影響をおよぼすことを示唆する結果も得た。
しかし、これら誘導体の吸着によるポリウレタン試料へのコーティングでは14日程度しか表面の親水性を維持できなかったことから、共有結合を介したオリゴプロリンの修飾が好ましいという結論にいたった。2024年度は、上記誘導体コーティングポリウレタン試料の短期的な機能(血液適合性など)を評価するとともに、中鎖脂肪酸に代わる生体分子を利用して共有結合を介したオリゴプロリンのポリウレタン試料への修飾に取り組む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度の半年間で、中鎖を導入したオリゴプロリン誘導体の合成とポリウレタン試料へのコーティング、およびコーティング層の安定性を評価することができた。また、ポーランドでは本研究で用いるポリウレタン製人工心臓ハウジングの作製やその血液適合性評価の最適化に着手していることから、おおむね順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画の通り、オリゴプロリン誘導体をコーティングもしくは共有結合的に修飾したポリウレタン試料を作製し、その基本的な表面特性の評価に取り組む。さらに、年内にはポーランド側の研究施設を訪問し、オリゴプロリン誘導体修飾ポリウレタン試料の血液適合性の評価を実施する。さらに、同オリゴプロリン誘導体で修飾したポリウレタン製人工心臓ハウジングの作製方法を検討し、その基礎的な評価(表面特性やタンパク質吸着特性)に着手したい。いずれも、分担研究者らと積極的に議論しながら取り組む。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] コラーゲン骨格模倣オリゴプロリン固定表面のアンチバイオファウリング特性2023

    • 著者名/発表者名
      柿木佐知朗、Aldona Myzk、埜口友里、松下夕真、上田正人、岩﨑泰彦、Roman Major
    • 学会等名
      第52回医用高分子シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] オリゴプロリン固定表面の血液適合性とアンチバイオファウリング性2023

    • 著者名/発表者名
      コラーゲン骨格模倣オリゴプロリン固定表面のアンチバイオファウリング特性
    • 学会等名
      第72回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 簡便な血液適合化を実現するアンチファウリングペプチドコーティング技術2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋和菜,松下夕真,Aldona Myzk,上田正人,岩﨑泰彦,Roman Major,柿木佐知朗
    • 学会等名
      第61回日本人工臓器学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Collagen backbone-inspiredoligoproline for anti-biofoulingsurfaces2023

    • 著者名/発表者名
      Sachiro Kakinoki, Aldona Myzk, Yuma Matsushita, Kazuna Takahashi, Yasuhiko Iwasaki, Masato Ueda, Roman Major
    • 学会等名
      9th Asian Biomaterials Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] 関西大学 化学生命工学部 医工学材料研究室ホームページ

    • URL

      https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/k-sac/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-12   更新日: 2024-12-25  

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