抗生剤の効かない薬剤耐性菌の存在は人類の健康にとって大きな脅威である。耐性菌の出現リスクを減らすためには、社会全体で抗生剤の使用量を減らす必要があるが、現実には社会的ジレンマによって抗生剤の濫用に歯止めがかからない可能性がある。本研究ではゲーム理論ベースの数理モデルを国際共同開発することで、人類の共有資源である薬剤の消耗と枯渇:共有地の悲劇が起きるメカニズムを数理的に明らかにする。これにより薬剤の濫用とそれに伴う耐性菌の蔓延を防止する方策を総合的にデザインすると共に、病原菌に対する有効な抗生剤という公共財を次世代の社会に残すための理論構築に繋げる。
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