本国際研究では、突如として不透明となった地球表層の炭素循環を司るメタン生成アーキア(メタン菌)の生物的・代謝的多様性解明のため、新規に発見された第5メタン生成経路に関与する酵素の構造および機能を解明する。具体的には、第5メタン生成経路の起点であり、長鎖アルカンをアルキル-SCoMへと変換するアルキルコエンザイムMレダクターゼ(ACR)およびその周辺酵素の立体構造決定と機能の解明を行う。本研究の成功は、第5メタン生成経路の発見により覆った「メタン菌は炭素数1-2の単純な化合物しか基質として利用できない」という従来の定義に対し、新たな定義と利用可能な有機物の範囲に制約を与える。
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