研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究は、フランスにおける精神分析の歴史的意義を多角的に分析する。ジャック・ラカンの影響力は、彼個人の魅力に加え、フランス特有の精神医学の伝統、シュルレアリスムとの共鳴、ハイデガー受容、構造主義の導入、「68年5月」への応答、制度論的精神療法など、20世紀思想史の重要な要素と深く結びついている。ラカンのみならず周辺の分析家や哲学者の動向も考慮し、資料収集と議論を通じてフランス精神分析史の多様な側面を解明することを目指す。