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国境を越える修辞史:国際ビジネスにおける過去の戦略的使用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0229
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)

配分区分基金
審査区分 小区分07080:経営学関連
研究機関一橋大学

研究代表者

酒井 健  一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (60757061)

研究期間 (年度) 2024 – 2026
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
キーワード修辞史 / 歴史的ナラティブ / グローバリゼーション / 過去の使用 / 歴史的組織研究 / 組織論 / 経営史 / レトリカル・ヒストリー / 過去の利用 / 歴史的転回 / 事例研究
研究開始時の研究の概要

本研究の主な目的は、国際ビジネスを行う企業が、外国の歴史の物語をどのように戦略的に利用しているか、また、その歴史語りがなぜ特定の聴衆の共鳴を呼ぶのかを解明することです。この領域の世界的中心地の1つであるコペンハーゲン・ビジネススクール(CBS)のAndrew Popp教授と国際共同研究を行います。この研究を通じて、企業組織による過去の戦略的利用に関する理論に貢献し、それと同時に、国際ビジネスの実践に対して示唆を提供します。

研究実績の概要

本研究は、企業や組織が自らの過去を戦略的に語る手法に関する既存研究が、各国の国内という閉じられた文脈で語られがちである点に注目し、それを国境を越えてどのように展開できるかを探ることを目的としている。この視点は、ポスト工業化社会における日本企業の経営実践にも重要な示唆を与えるものである。
現在は、コペンハーゲンビジネススクールのアンドリュー・ポップ教授との国際共同研究のもと、知育玩具や子どもの遊び場づくりで知られる日本企業ボーネルンド社を主な研究対象としている。同社が発行してきた社内広報誌などを主たる史料とし、「北欧(特にデンマーク)発祥」という歴史的ナラティブが同社の組織アイデンティティにどう影響し、日本国内の消費者にどのように受容されてきたかを分析している。あわせて、デンマーク国内の歴史博物館や玩具店などを実地に訪問し、日本企業が言説上で語る「デンマークらしさ」が、現地の文化や商習慣とどのように関係しているのかについても検証を進めた。
本研究は、ポップ教授との継続的な意見交換と資料の共有を通じて発展しており、これまでに2度、研究成果を発表する機会を得た。2024年11月にはコペンハーゲンビジネススクールでのセミナーにて、2025年2月にはウプサラ大学で開催された北欧マーケティング史研究会にてそれぞれ発表を行い、貴重なフィードバックを得たことで、本研究の理論的貢献の方向性が明確になりつつある。現在は、英語論文の共著原稿を執筆中であり、国際学術誌への投稿に向けた準備を進めている。また補助的に、無印良品がデンマーク市場において、日本文化と結びつけたナラティブを通じて高付加価値を実現している事例も、本研究課題に関連する対象として調査し、その成果の一部は『生産性新聞』での連載を通じて実務家にも発信した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は「修辞史(rhetorical history)」を国際的視点から再検討するという新たな試みに挑戦しており、その進行状況は概ね順調に推移していると判断できる。当初の研究課題は修辞史に焦点を当てたものであったが、アンドリュー・ポップ教授(コペンハーゲンビジネススクール)との継続的な議論を通じて、次第に歴史的ナラティブと組織アイデンティティの関係、さらにはグローバリゼーションという歴史的文脈を含む、より広い理論的枠組みへと展開しつつある。この発展により、本研究は一層深い学術的意義を備えるものとなっている。まず国際共同研究のパートナーであるポップ教授との関係構築は極めて良好に進展しており、定期的な面会を通じて信頼関係と研究上の共通理解が深まったことは、プロジェクトの安定性と発展性を大いに高めている。また、歴史的ナラティブと組織アイデンティティの接点に関する理論的議論も活発に行われており、共同執筆体制も自然に機能する協働関係として確立されている。実地調査についても、ポップ教授の助言に基づきデンマークの博物館や商業施設を訪問し、日本で語られる「デンマークのイメージ」と対比するかたちで、現地の文化的実態や歴史を効率的に把握することができた。中間研究成果は、2024年11月にコペンハーゲンビジネススクールのセミナー、2025年2月にはウプサラ大学のノルディック・マーケティング史研究会にて発表し、いずれも有意義なフィードバックを得た。これにより理論的貢献の輪郭が明確となり、論文の構成と焦点も定まりつつある。現在は英文論文の執筆を進めており、投稿に向けた最終調整の段階にある。このように各段階が着実に進んでいることから、本研究は概ね順調に進行していると評価できる。

今後の研究の推進方策

現在執筆中の英文論文については、2025年夏までに原稿を完成させ、国際学術誌への投稿を行う予定である。査読対応については、帰国後も引き続きオンラインを活用し、アンドリュー・ポップ教授と連携しながら着実に進めていく。また、研究成果を実務の現場にも還元すべく、さまざまな媒体を通じて情報発信を行う計画である。現在の論文に続く形で、今後さらなる論文執筆の可能性も視野に入れている。加えて、2026年にはコペンハーゲンビジネススクールを再度短期訪問し、ポップ教授との集中的な議論を再び行うことも検討している。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2025 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] BorneLund - Otherness as Brand and Identity2025

    • 著者名/発表者名
      Sakai Ken, Andrew Popp
    • 学会等名
      Nordic Marketing History Workshop
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Longing for Europe and European-style Business in Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Sakai Ken, Andrew Popp
    • 学会等名
      Seminar at the Centre for Business History, Copenhagen Business School
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2024-02-28   更新日: 2025-12-26  

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