本国際共同研究の目的は2点に大別される。1点目は,基課題で開発中の,仮想現実(VR)空間上の自己内対話プログラム(VR-SC)に,海外共同研究者であるSlater氏らによって開発されたVRセルフカウンセリングのアプリケーション(ConVRself)の要素を統合し,実用に即した改訂を行うことである。2点目は,日本と欧州における比較検討を通じて,その文化に合ったVR内環境の選好に関する知見を得ることである。上記2点を達成することで,がん医療現場の共感疲労に対して具体的かつ有用な支援方策を提供するという基課題の最終ゴールの実現可能性は飛躍的に向上すると考えられる。
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