研究課題
基盤研究(S)
本研究の目的,マウスの胚発生において、左右と頭尾の極性が生じる機構と、その起源を解明することである。左右の極性については、対称性を破る働きをする繊毛の形成・運動動態の制御の機構と,繊毛運動が作り出す水流シグナルが受容される機構を明らかにすること、一方頭尾の極性については、将来の頭尾を決定する細胞で発現するLeftyの発現制御機構と意義を調べることで,極性の起源を明らかにすることであった。平成24年度は以下の点を明らかにした。(1)水流シグナルが受容される機構:ノード脇に位置する動かない繊毛が水流を感知すること,感知するためには繊毛に局在するカルシウムチャネル(Pkd2)が必要であることを明らかにした(Yoshiba et al., Science 2012.9.)。(3)ノード両側でロバストな非対称性が確立される機構:ノード流とCerl2-Wntの制御ループの両者によって、Cerl2 mRNAが左右非対称に分解されることがわかった(Nakamura et al., submitted)。(4)母性因子としてのNoda1シグナルの役割:Noda1シグナルに依存して卵細胞で発現する遺伝子を、数種類同定した。(5)Lefty1の発現が一部の細胞に限定される機構:Lefty1の発現がNoda1シグナルによって誘導されているので,Noda1シグナルの種々の構成因子の発現を追跡するためにマウスを作成した。同年度に申請していた新学術領域研究(領域代表者:濱田博司)が採択されたために,6月末を持って当基盤S研究を放棄することになった。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
Dev. Cell
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Science
巻: (未定)
http://www.osaka-u.ac.jp/news/ResearchRelease/2012/09/20120914_1