研究概要 |
本研究は,極低温下での星間塵表面反応素過程の詳細を実験的に調べ,星間分子雲での分子進化と同位体分別における星間塵の役割を明らかにすることを主たる目的としている.本研究課題が採択されると同時に,始原天体に関する国際会議(新潟),原始太陽系における鉱物・水・有機物に関する国際シンポジウム(東京)および日本地球惑星科学連合大会(千葉幕張)に出席し,星間塵表面における水分子および始原有機分子生成に関する研究の現状報告を行ない,同位体濃集プロセスに関する情報収集・議論を通して本研究の重要性や独創性を充分アピールすることができた. 現有実験装置の改良も本研究課題の重要な目的である。まず気相の原子・分子を検出する装置を駆動するための電源ユニット(NIM標準ビン電源,クリアパス社製)を購入し,信号検出系の改善に取り組み始めた.改良は現時点でも引き続き行っているところだが,これにより,実験の際の信号/ノイズ比が向上し,さらに規則的に現れる電気的なノイズを除去することが可能になると予想され、実験値の精度向上等大きな効果が期待される. その後すぐに現在実施中の基盤研究Sが採択されたため,本研究課題の実施は5月31日をもって終了した.しかし,上記の取り組みは基盤研究Sに引き継がれるため,基盤研究Aで行った発表・研究議論,整備した物品は、将来にわたって有効に活用される.
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