研究課題
基盤研究(B)
格差問題は現代の日本社会における重要なテーマである。本研究は地理学的観点から、まず地域格差概念について再検討をおこない、人口や産業の地理的分布の偏り(「規模の地域間格差」と呼ぶ)と、個人や世帯あたりで見た所得の違い(「水準の地域間格差」と呼ぶ)の区別を提示した。実証的な分析からは、(1)全国的に見れば前者は拡大しているが後者は縮小する傾向にあること、(2)1980年代以降は東京一極集中が進み高学歴層の選択的人口移動が強まったこと、(3)さまざまな空間単位で社会格差に対応した健康格差が生じていることが明らかになった。
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