家禽の輸卵管で精子の運動を制御する分子スイッチの探索と動物精子の液状保存への応用

• 研究課題/領域番号: 24380153
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用動物科学
• 研究機関: 静岡大学
• 研究代表者: 笹浪 知宏 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80322139)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円); 2014年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2013年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円); 2012年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
• キーワード: 精子貯蔵管 / 輸卵管 / 精子貯蔵 / 乳酸 / ウズラ / 受精 / 子宮膣移行部 / 精子 / 分子スイッチ

研究成果の概要

家禽の輸卵管には精子貯蔵管（SST）と呼ばれる管状の構造が存在し、射精された精子を長期間貯蔵する。本研究では、SST内で精子の運動を低下させる仕組みを調べた。SSTが分布する子宮膣移行部の抽出物から精子の運動性を低下させる運動抑制物質として乳酸を同定した。射出精子を乳酸とインキュベートすると、精子の細胞内pHが低下し、これが精子の鞭毛運動を抑制することがわかった。SSTは生体内で低酸素状態になっており、SSTが大量の乳酸を産生する原因になっていると考えられた。乳酸を添加し低酸素条件にした培養液で精子を５日間貯蔵したところ、無処理の培養液と比較して５日後の精子の形態維持効果が認められた。

研究成果

• [雑誌論文] Cellular analysis of cleavage-stage chick embryos reveals hidden conservation in vertebrate early development. (2015)
  • 著者名/発表者名: Nagai H, Sezaki M, Kakiguchi K, Nakaya Y, Lee HC, Ladher R, Sasanami T, Han JY, Yonemura S, Sheng G
  • 雑誌名: Development 巻: 142 ページ: 1279-1286
  • DOI: 10.1242/dev.118604
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] A unique mechanism of successful fertilization in a domestic bird. (2015)
  • 著者名/発表者名: T. Sasanami, S. Izumi, N. Sakurai, T. Hirata, S. Mizushima, M. Matsuzaki, G. Hiyama, E. Yorinaga, T. Yoshimura, K. Ukena and K. Tsutsui
  • 雑誌名: Sci. Rep. 巻: 5 号: 1 ページ: 7700-7700
  • DOI: 10.1038/srep07700
  • NAID: 120005527162
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The birth of quail chicks after intracytoplasmic sperm injection (2014)
  • 著者名/発表者名: Mizushima, S., Hiyama, G., Shiba, K., Inaba, K., Dohra, H., Ono, T., Shimada, K. and Sasanami, T.
  • 雑誌名: Development 巻: 141 号: 19 ページ: 3799-3806
  • DOI: 10.1242/dev.111765
  • NAID: 120005479934
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Sperm activation by heat shock protein 70 supports migration of sperm released from sperm storage tubules in Japanese quail (Coturnix japonica) (2014)
  • 著者名/発表者名: Hiyama G, Matsuzaki M, MizushimaS, Dohra H, Ikegamim K, Yoshimura T, Shiba K, Inaba K, Sasanami T
  • 雑誌名: Reproduction 巻: Vol.471 号: 2 ページ: 167-178
  • DOI: 10.1530/rep-13-0439
  • 査読あり
• [雑誌論文] Sperm storage in the female reproductive tract in birds. (2013)
  • 著者名/発表者名: Sasanami T, Matsuzaki M, Mizushima S, Hiyama G.
  • 雑誌名: J Reprod Dev 巻: 59 ページ: 334-338
  • NAID: 10031195869
  • 査読あり
• [雑誌論文] Sperm proteasome degrades egg envelope glycoprotein ZPl during fertilization of Japanese quail (Coturnix japonica) (2012)
  • 著者名/発表者名: Sasanami, T
  • 雑誌名: Reproduction 巻: 144 号: 4 ページ: 423-431
  • DOI: 10.1530/rep-12-0165
  • 査読あり
• [学会発表] 雌ウズラの配偶者選択を制御する雄側の要因 (2015)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、青谷龍郎、檜山源、水島秀成、松崎芽衣、小野貴史、都築政起
  • 学会等名: 日本家禽学会2015年度春季大会
  • 発表場所: 宇都宮大学（宇都宮市）
  • 年月日: 2015-03-30
• [学会発表] ウズラ精子貯蔵管から放出される乳酸による精子運動抑制機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松崎芽衣、柴小菊、稲葉一男、鈴木智大、道羅英夫、檜山源、水島秀成、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本家禽学会2015年度春季大会
  • 発表場所: 宇都宮大学（宇都宮市）
  • 年月日: 2015-03-30
• [学会発表] ウズラの受精過程のライブイメージング (2015)
  • 著者名/発表者名: 市川佳伸、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本家禽学会2015年度春季大会
  • 発表場所: 宇都宮大学（宇都宮市）
  • 年月日: 2015-03-30
• [学会発表] ウズラ胚盤抽出物による精子頭部の膨化反応 (2015)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、久枝雅広、水島秀成
  • 学会等名: 日本畜産学会第119回大会
  • 発表場所: 宇都宮大学（宇都宮市）
  • 年月日: 2015-03-28
• [学会発表] 鳥類の生殖戦略と受精：その生理的意義と分子機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏
  • 学会等名: 第１０回広島大学JAB特別セミナー
  • 発表場所: 広島大学（東広島市）
  • 年月日: 2014-12-18
  • 招待講演
• [学会発表] ウズラの精子貯蔵管における精子貯蔵と活性化のメカニズム (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、松崎芽衣、水島秀成
  • 学会等名: 第46回精子研究会
  • 発表場所: 東京医科大学病院（新宿区）
  • 年月日: 2014-12-13
  • 招待講演
• [学会発表] Unique mechanisms of successful fertilization in birds (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomohiro Sasanami, Mei Matsuzaki, Shusei Mizushima
  • 学会等名: RIKEN CDB seminar
  • 発表場所: RIKEN CDB, Kobe, Japan
  • 年月日: 2014-12-02
  • 招待講演
• [学会発表] 鳥類の輸卵管における受精戦略 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏
  • 学会等名: 日本動物行動学会ラウンドテーブル
  • 発表場所: 長崎大学（長崎市）
  • 年月日: 2014-11-01
  • 招待講演
• [学会発表] Effects of cloacal gland secretion on the fertilization in Japanese quail (Coturnix japonica) (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomohiro Sasanami, Mei Matsuzaki, Shusei Mizushima
  • 学会等名: 10th Asia Pacific Poultry Conference
  • 発表場所: ICC Jeju, Jeju, Korea
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-23
• [学会発表] Full-term development of quail egg by intracytoplasmic sperm injection (ICSI) and use of ICSI for avian transgenesis. (2014)
  • 著者名/発表者名: Shusei Mizushima, Gen Hiyama, Kogiku Shiba, Kazuo Inaba, Hideo Dohra, Tamao Ono, Kiyoshi Shimada, Tomohiro Sasanami
  • 学会等名: 10th Asia Pacific Poultry Conference
  • 発表場所: ICC Jeju, Jeju, Korea
  • 年月日: 2014-10-19 – 2014-10-23
• [学会発表] ウズラの受精におけるγ-チューブリンの動態に関する研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 久枝雅広、笹浪知宏、水島秀成
  • 学会等名: 日本家禽学会2014年度秋季大会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島市）
  • 年月日: 2014-09-28
• [学会発表] ウズラの配偶者選択に関する研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、檜山源、水島秀成、松崎芽衣
  • 学会等名: 日本家禽学会2014年度秋季大会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島市）
  • 年月日: 2014-09-28
• [学会発表] ウズラの受精時に卵を活性化する新規精子ファクターの探索 (2014)
  • 著者名/発表者名: 水島秀成、檜山源、柴小菊、稲葉一男、道羅英夫、小野珠乙、島田清司、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本家禽学会2014年度秋季大会
  • 発表場所: 鹿児島大学（鹿児島市）
  • 年月日: 2014-09-28
• [学会発表] 鳥類の輸卵管における受精の補償機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、松崎芽衣、水島秀成
  • 学会等名: 日本動物学会第85回仙台大会シンポジウム、性的対立～対立の構図：行動から分子へ
  • 発表場所: 東北大学（仙台市）
  • 年月日: 2014-09-12
  • 招待講演
• [学会発表] ウズラ精子貯蔵管への精子の侵入に及ぼす精漿成分の効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、松崎芽衣、水島秀成、筒井和義
  • 学会等名: 日本動物学会第85回仙台大会
  • 発表場所: 東北大学（仙台市）
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] 乳酸はウズラ精子貯蔵管における精子の運動停止に関与する (2014)
  • 著者名/発表者名: 松崎芽衣、水島秀成、柴小菊、稲葉一男、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本動物学会第85回仙台大会
  • 発表場所: 東北大学（仙台市）
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] ウズラ精子貯蔵管における精子貯蔵に対するモノカルボン酸の役割 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松崎芽衣、檜山源、水島秀成、柴小菊、稲葉一男、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本畜産学会第118回大会
  • 発表場所: つくば国際会議場（つくば市）
• [学会発表] ウズラの精子による卵黄膜の溶解反応 (2014)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、大橋繭子、松崎芽衣、檜山源、水島秀成
  • 学会等名: 日本畜産学会第118回大会
  • 発表場所: つくば国際会議場（つくば市）
• [学会発表] ウズラの精巣及び精子におけるプロラクチン受容体の発現 (2014)
  • 著者名/発表者名: 檜山源・水島秀成・笹浪知宏
  • 学会等名: 日本家禽学会春季大会
  • 発表場所: 筑波大学（つくば市）
• [学会発表] ウズラの輸卵管で貯精に重要な役割を果たすタンパク質の同定 (2013)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏
  • 学会等名: 日本畜産学会第116回大会
  • 発表場所: 安田女子大学(広島市)
  • 年月日: 2013-03-30
• [学会発表] ウズラの精巣におけるプロラクチン遺伝子の発現解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 檜山源
  • 学会等名: 日本家禽学会2013年春季大会
  • 発表場所: 安田女子大学(広島市)
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] 顕微授精法により作出したGFP発現ウズラの発生率と遺伝子導入効率 (2013)
  • 著者名/発表者名: 水島秀成
  • 学会等名: 日本家禽学会2013年春季大会
  • 発表場所: 安田女子大学(広島市)
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] ウズラの受精率と配偶者選択に関する研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 檜山 源 、下 貴行 、水島秀成 、牧野悟士 、田宮 元 、笹浪知宏
  • 学会等名: 日本家禽学会秋季大会
  • 発表場所: 新潟大学（新潟市）
• [学会発表] ウズラ子宮膣移行部に含まれる精子運動抑制物質の単離 (2013)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏、松崎芽衣、檜山 源 、水島秀成
  • 学会等名: 日本家禽学会秋季大会
  • 発表場所: 新潟大学（新潟市）
• [学会発表] 鳥類の輸卵管における受精の補償機構 (2013)
  • 著者名/発表者名: 笹浪 知宏、松崎芽衣、檜山源、水島秀成
  • 学会等名: 第１回ウズラ研究会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 招待講演
• [学会発表] 胚盤葉細胞核を用いたクローンウズラ胚作出の試み (2012)
  • 著者名/発表者名: 松本拓也
  • 学会等名: 平成24年度東海畜産学会秋季大会
  • 発表場所: 名古屋大学(名古屋市)
  • 年月日: 2012-11-19
• [学会発表] 鳥類の精子貯蔵管における貯精の分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏
  • 学会等名: 日本生殖工学会学術集会
  • 発表場所: 明治大学リバティータワー(千代田区)(招待講演)
  • 年月日: 2012-04-22
• [学会発表] Analysis of cell cycle regulation during quail embryo development (2012)
  • 著者名/発表者名: Mizushima, S.
  • 学会等名: 10^<th> International Symposium of Avian Endocrinology
  • 発表場所: Nagaragawa Convention Center (岐阜市)
• [学会発表] ウズラ卵活性化に対するクエン酸シンターゼとATPクエン酸リアーゼ投与の効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 水島秀成
  • 学会等名: 日本家禽学会2012年度秋季大会
  • 発表場所: 生涯学習センターまなびCAN(高松市)
• [学会発表] 成長ホルモン受容体欠損ニワトリにおける性成熟の遅延と遺伝子発現 (2012)
  • 著者名/発表者名: 塚田光
  • 学会等名: 日本家禽学会2012年度秋季大会
  • 発表場所: 生涯学習センターまなびCAN(高松市)
• [学会発表] ウズラ精子貯蔵管におけるannexinおよびheat shock protein の発現 (2012)
  • 著者名/発表者名: 笹浪知宏
  • 学会等名: 日本動物学会第83回大会
  • 発表場所: 大阪大学(大阪市)
• [学会発表] キタムラサキウニStrongylocentrotus nudusにおけるTyrosinase-like geneの分子クローニング及び機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 塙宗継
  • 学会等名: 日本動物学会第83回大会
  • 発表場所: 大阪大学(大阪市)
• [学会発表] Pattern of calcium oscillation during fertilization and egg development in quail (2012)
  • 著者名/発表者名: Mizushima, S.
  • 学会等名: 7^<th> international Chicke meeting
  • 発表場所: 名古屋大学(名古屋市)