和算と算額は、日本の貴重な文化遺産であると同時に、数学教育の優れた教材となり得るものである。しかし「数学と漢文」という、異分野の組み合わせであるため、ごく一部の人たちにしか知られておらず、先人の偉大な文化遺産が正しく継承されていない。研究目的の『和算と算額の調査・研究、解法の探究、数学教育への活用』については、目標をほぼ達成出来たと思う。この3年間に「和算と算額補遺」(1)傍斜術、(2)法眼寺算額、(3)高砂神社奉納算額 第二の3編を発表し、和算啓蒙書『和算の解法―美しい幾何の問題を解く楽しみ―』を出版し、2014年には2枚目の算額を高砂神社に試作・奉納した。
|