研究成果の概要 |
手話言語の主語/目的語標示を行う助動詞(AUX1 や AUX2)は, Smith(1990)が,台湾手話でその存在を指摘し, Fischer(1996)が日本手話東日本方言にも AUX1 のみ存在する事を認めた。AUX2 が動詞「見る」から派生した事は, Smith が示したが, AUX1 の生成過程は不明であった。Sapountzaki(2012)らの「代名詞連続からの派生」仮定も証拠が不十分である。本論では,日本手話西日本方言には AUX1とAUX2 が存在し, AUX1 は「見る」→ AUX2 → AUX1 の順に文法化により生成された」という仮説を提案し,その妥当性を検証した。
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