予想に反して,言語切り替えが観測される場合が少なく,手続きの層においても,タスク間で量的な違いはみられなかった。これは,個人差要因がタスクの影響上回ってしまったためと考えられる。そのため,言語切り替えをよく行うスイッチャ―とそうでないノンスイッチャーに区分し,それぞれの言語使用を再分析した。ノンスイッチャーは交互作用能力が高く,言語切り替えによるフレーミングの必要が少なくなる。また,会話方略をうまく使うことによって,言語切り替えをせずに修復をすることが多くなる。スムースなターンテーキングによって,言語切り替えが多くなる手続きに関わる層に移行する必要性が少なくなっていたことが判明した。
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