市場経済における代替的な政策に対する社会的評価の問題を,家計を基礎とするアロー型の社会厚生関数として定式化し、アローの最初の公理系:(パレート性)、(匿名性)、(独立性)から出発して、これらに修正を加えることにより、市場経済の特性に対応した公理系を導出した。そして、修正された公理をすべて満たすアロー型の社会厚生関数が存在しないことを証明した。次に可能性定理を得るために、貨幣所得水準上に定義された対数効用関(Eisenberg型消費者余剰)を選好順序に関する3つの公理から導出した。また、リスクの下で消費者余剰や等価尺度が基数的尺度であることを厳密に定義し、その公理的な特徴付けを行った。
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