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公共的文化空間としての名所の生成と変容に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530627
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 社会学
研究機関和歌山大学

研究代表者

米田 頼司  和歌山大学, 教育学部, 教授 (60144101)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2012年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード名所 / 和歌の浦 / 景観保全 / 公共的文化空間
研究概要

平成24年度と平成25年度の調査研究からは、以下のような知見を得ている。
1)古代から近世における名所の生成と変容は、「場所及び場所性(境界性〔聖域性〕・景観)のコスモロジカルな把握」→「シンボリズムの成立(名所化)」→「シンボリズムに対応する名所巡りの成立」→「名所巡りの民衆化」という歴史的・継起的過程として辿ることができる。2)近世における「名所の民衆化」、即ち名所が民衆にも開かれた公共的文化空間として顕現する場合に、公権力の関与を考える必要があり、紀州藩の場合、領国と城下町の統治に際して、徳治の考え方が採用され、古来の名所である和歌の浦において景観保全が図られるとともに“開かれた庭園”としての整備(公園的整備)が行われたのは、その先駆と位置付けられる。江戸における上野(寛永寺・不忍池)、御殿山、飛鳥山などの整備には、和歌の浦をモデルにした可能性を考えることができる。3)近代以降のツーリズムの成立と展開は、古代から近世における名所の生成と変容過程とは異質な様相を示すもので、コスモロジカルな磁場で成立したシンボリズムから遊離した開発と観光地化を推し進めることとなった。“新名所”が出現する一方で従来の名所が消滅することにもなる。4)近代以降の名所の生成と変容過程は、名所の消滅を含む新たな様相を示すことになるが、こうした状況への反射的対応として歴史的景観あるいは歴史的環境の保全と再生が意識化されることになり、民衆にも開放された公共的文化空間としての名所の存在が、明治初期に始まる公園化の動向と合わせて、歴史的に再評価、再認識されるようになる。5)和歌の浦は、以上のような古代から近世、更には近代以降における名所の生成と変容を示す典型例と考えられ、和歌の浦をケースとする調査研究は、名所の存立意義とそこにおける景観保全及び開発のあり方を検討する際に、極めて重要な戦略的意義を有する。

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 名所風俗画に描かれた和歌の浦-二条城二の丸御殿黒書院帳台の間転用鶴澤探山筆和歌浦図の場合-2013

    • 著者名/発表者名
      米田頼司
    • 雑誌名

      和歌山大学教育学部紀要

      巻: 人文科学 63集 ページ: 27-38

    • 関連する報告書
      2012 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 名所絵葉書にみる景観観と景観変容-「溝端コレクション(和歌の浦)」とその内容分析-2012

    • 著者名/発表者名
      米田頼司
    • 雑誌名

      和歌山大学紀州経済史文化史研究所紀要

      巻: 33号 ページ: 1-34

    • NAID

      40019572783

    • 関連する報告書
      2012 実施状況報告書

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公開日: 2013-05-31   更新日: 2019-07-29  

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