本研究では、保育所民営化をめぐる是非が争われた全国の裁判例を分析した。 その結果、①民営化を阻止しようとする側は「子どもの発達保証の論理」に基づいて、一方民営化を推進しようとする側は「行財政改革の論理」に基づいていること、②どちらの論理ともに江論理的な陥穽を有していること、③裁判所の判断は二分されたが、民営化に反対する側の論理も一定の言説的な重みをもちえたことなどが明らかとなった。 また、これに付随して、議会における審議の様子も分析した。その結果、議会と裁判所とでは、言説のフレームが大きく変化することが見出された。
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