スピンフラストレーションおよび競合する自由度をもつ遷移金属フッ化物の新奇物性探索

• 研究課題/領域番号: 24540345
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 物性Ⅱ
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 植田 浩明 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10373276)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2012年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
• キーワード: スピンフラストレーション / 電荷秩序 / フッ化物 / パイロクロア / フラストレーション / ヤーンテラー効果

研究成果の概要

フラストレート格子をもつ遷移金属フッ化物として，変型パイロクロアおよびダブルペロブスカイトの合成および物性測定を行った．その結果，競合する自由度に起因するいくつかの新規な現象を発見した．変型パイロクロアは，電荷の自由度を持ち，電荷秩序や異なる大きさのスピンによる磁気秩序を示す．ダブルペロブスカイトでは，磁性イオンのヤーンテラー不安定性と，構成イオンの隙間に由来するペロブスカイトの格子の不安定性が競合し，様々な構造相転移が現れる．

研究成果

• [雑誌論文] Spin Frustration and Field-Induced Transitions of Modified Pyrochlore Fluorides ACr2F6 (A=Rb and Cs) (2014)
  • 著者名/発表者名: H. Ueda, A. Matsuo, K. Kindo, and K. Yoshimura
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 83 号: 1 ページ: 014701-014701
  • DOI: 10.7566/jpsj.83.014701
  • NAID: 210000132918
  • 査読あり
• [雑誌論文] ダブルペロブスカイト型チタンフッ化物における多様な相転移 (2014)
  • 著者名/発表者名: 後藤真人,植田浩明,道岡千城,吉村一良
  • 雑誌名: 固体物理 巻: 49 ページ: 79-89
• [雑誌論文] Competition between Spin Frustration, Lattice Instability, and the Jahn-Teller Effect in S=1/2 Geometrically Frustrated Double Perovskite Fluorides A2BTiF6 (A=K, Rb, Cs; B=Na, K, Rb) (2013)
  • 著者名/発表者名: M. Goto, H. Ueda, C. Michioka, and K. Yoshimura
  • 雑誌名: Journal of the Physical Society of Japan 巻: 82 号: 10 ページ: 104709-104709
  • DOI: 10.7566/jpsj.82.104709
  • 査読あり
• [学会発表] S = 1カゴメ格子反強磁性体A2BV3F12(A, B：アルカリ金属)の磁気相図 (2015)
  • 著者名/発表者名: 後藤真人，植田浩明，道岡千城，松尾晶，金道浩一，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会第70回年次大会
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2015-03-21 – 2015-03-24
• [学会発表] パイロクロア弗化物Cd2+xM2-xF6S(M=Mn,Fe,Co,Ni)における磁性と遷移金属イオンの秩序形成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山川智大，植田浩明，道岡千城，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会第70回年次大会
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2015-03-21 – 2015-03-24
• [学会発表] 変型パイロクロアACr2F6(A=Rb,Cs)単結晶の磁性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 植田浩明，後藤真人，松尾晶，金道浩一，道岡千城，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会秋季大会
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2014-09-07 – 2014-09-10
• [学会発表] 秩序型ReO3構造を有するフラストレート磁性体MZrF6(M=3d遷移金属)の物性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田口篤史，植田浩明，道岡千城，松尾晶，金道浩一，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会秋季大会
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2014-09-07 – 2014-09-10
• [学会発表] S = 1/2カゴメ格子チタンフッ化物A2BTi3F12(A, B：アルカリ金属)のスピンフラストレーション効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 後藤真人，道岡千城，植田浩明，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会秋季大会
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2014-09-07 – 2014-09-10
• [学会発表] マンガンを含むパイロクロア弗化物の磁性
  • 著者名/発表者名: 植田浩明，松尾晶，金道浩一，道岡千城，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] ダブルペロブスカイト型バナジウム弗化物A2BVF6の新奇秩序状態
  • 著者名/発表者名: 後藤真人，道岡千城，植田浩明，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] ダブルペロブスカイトRb2NaTiF6の微視的性質
  • 著者名/発表者名: 道岡千城，後藤真人，植田浩明，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] 秩序型ReO3構造を有する3d遷移金属フッ化物MZrF6の合成と物性
  • 著者名/発表者名: 田口篤史，植田浩明，松尾晶，金道浩一，道岡千城，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] カゴメ格子を有する新物質A2BM3F12(A,B:アルカリ金属、M:Ti,V,Cr)の物性
  • 著者名/発表者名: 後藤真人，道岡千城，植田浩明，松下能孝，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会第69回年次大会
  • 発表場所: 東海大学
• [学会発表] 秩序型ReO3構造を有するMZrF6(M2+=Ti2+, Co2+)の示すフラストレーション効果
  • 著者名/発表者名: 田口篤史，植田浩明，道岡千城，松尾晶，金道浩一，吉村一良
  • 学会等名: 日本物理学会第69回年次大会
  • 発表場所: 東海大学
• [学会発表] S=1ダブルペロブスカイトA2BVF6の物性
  • 著者名/発表者名: 後藤真人
  • 学会等名: 日本物理学会2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学
• [学会発表] Hg2M2F6S(M=Co,Ni,Cu)の強磁場物性
  • 著者名/発表者名: 植田浩明
  • 学会等名: 日本物理学会2012年秋季大会
  • 発表場所: 横浜国立大学
• [学会発表] 軌道の自由度を有するダブルペロブスカイトA2BMF6(M =Ti, V)の構造相転移
  • 著者名/発表者名: 後藤真人
  • 学会等名: 日本物理学会2013年年次大会
  • 発表場所: 広島大学
• [学会発表] 変型パイロクロアAV2F6単結晶の電荷秩序転移
  • 著者名/発表者名: 植田浩明
  • 学会等名: 日本物理学会2013年年次大会
  • 発表場所: 広島大学