研究課題/領域番号 |
24550026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
日野 照純 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (10105827)
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研究分担者 |
宮崎 隆文 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70260156)
八木 創 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (90442532)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2012年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | フラーレン / 内包フラーレン / 電子状態 / 紫外光電子分光 / X線光電子分光 / 光電子分光 |
研究概要 |
通常では不安定と考えられている孤立五員環則(IPR)を満たさないC68フラーレンケージにSc3Nクラスターを内包した金属内包フラーレンSc3N@C68の紫外光電子スペクトル(UPS)とX線光電子スペクトル(XPS)の測定に成功した。UPSを解析するために密度汎関数法(DFT)計算を行った。DFTにより得られたシミュレーションスペクトルは実測のUPS をよく再現するものであった。また、Sc3N@C68のHOMO-LUMOギャップは空のC68に比べると0.6 eVほど大きなことが明らかとなり、このギャップの大きさが本来は不安定であるNon-IPRのC68ケージを安定化させている要因であることが推測された。さらに、ケージサイズの異なるフラーレンケージにSc3Nクラスターが内包された一連のフラーレン、Sc3N@C68、Sc3N@C78やSc3N@C80のSc2pやN1sの結合エネルギーを比較してみると、ケージサイズが小さくなるほど結合エネルギーが小さくなる傾向が見られ、内包クラスターの電子状態には何らかのケージサイズ効果があることが判明した。 さらに、IPRを満足する一連の内包フラーレンTm2@C82 (III)、Tm2C2@C82 (III)、Gd3N@C80、Er3N@C80などのUPS及びXPSを測定を行い、これら内包フラーレンの価電子帯の電子構造や内包原子の電子状態に関する知見をえた。特に、単原子内包フラーレンTm@C82ではTmの価数が+2であるのに対してTm原子が2個内包されたフラーレンではTm原子の価数が+3となり、内包原子の価数は単純に個々の原子に依存するわけではなくさらなる検討が必要であることも明らかとなった。
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