ゲストの捕捉および放出を制御できる刺激応答性シクロファン型ホスト多量体の開発

• 研究課題/領域番号: 24550166
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 機能物質化学
• 研究機関: 福岡大学
• 研究代表者: 林田 修 福岡大学, 理学部, 教授 (20231532)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円); 2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2013年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2012年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: シクロファン / ホストゲスト化学 / 還元応答性 / 分子認識化学 / クラスター効果 / 刺激応答

研究成果の概要

本研究では、ゲストを強く捕捉するために複数個のシクロファンを集積したホストを分子設計した。クリック反応を利用してシクロファン５量体などのホストを合成した。これらシクロファン多量体は単量体と比較してゲスト捕捉能が飛躍的に向上することがわかった。さらに、外部刺激に応じてゲストに対する捕捉能が制御できる新規ホストとして、分子骨格内にジスルフィド結合を有するアニオン性ホストも開発した。このアニオン性ホストは抗がん剤 (ダウノルビシンなど) などをゲストとして取り込むことができること、さらに還元剤の添加によりシクロファン骨格が解裂しゲストを放出できることがわかった。

研究成果

• [雑誌論文] Entrapment and Release of Guest Molecules by Reduction-Responsive Cyclophane Dimers Based on Disulfide Linkage (2015)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida*, Keiko Kojima
  • 雑誌名: Bull. Chem. Soc. Jpn. 巻: 88 号: 5 ページ: 729-735
  • DOI: 10.1246/bcsj.20140370
  • NAID: 130005069505
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Synthesis of A Rhodamine-Appended Cyclophane as A Fluorescence Host in Water (2014)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida*, Yu Kaku,
  • 雑誌名: Adv. Chem. Eng. Sci. 巻: 4 号: 04 ページ: 401-408
  • DOI: 10.4236/aces.2014.44044
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Synthesis and Guest-Binding Behavior of Water-Soluble Cyclophanes Bearing PEG Residues (2014)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida*, Yuki Nakamura, Takuya Sato
  • 雑誌名: Adv. Chem. Eng. Sci. 巻: 4 号: 04 ページ: 409-416
  • DOI: 10.4236/aces.2014.44045
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Degradation Properties and pH-Responsive Guest-Release of Cyclophanes Having Four Ester Side Chains with Terminal Choline Residues (2014)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida*, Daisuke Sato
  • 雑誌名: Chem. Lett 巻: 43 ページ: 322-324
  • NAID: 130004868009
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis, Guest-Binding, and Reduction-Responsive Degradation Properties of Water-Soluble Cyclophanes Having Disulfide Moieties (2013)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida, Kazuaki Ichimura, Daisuke Sato, Terutaka Yasunaga
  • 雑誌名: J. Org. Chem. 巻: 78 号: 11 ページ: 5463-5469
  • DOI: 10.1021/jo400591w
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis of Dabsyl-Appended Cyclophanes and Their Heterodimer Formation with Pyrene-Appended Cyclophanes (2013)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida, Yu Kaku
  • 雑誌名: J. Org. Chem 巻: 78 号: 20 ページ: 10437-10442
  • DOI: 10.1021/jo4018843
  • 査読あり
• [雑誌論文] クラスター効果によって機能化された水溶性 シクロファン類の創製とゲスト捕捉能 (2013)
  • 著者名/発表者名: 林田 修、市村 和明、木村 圭一朗、中村 勇気、中島 智美
  • 雑誌名: 福岡大学理学集報 巻: 43 ページ: 87-95
  • NAID: 110009558621
• [雑誌論文] 機能性ナノ分子研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 林田 修、松原 公紀、安東 勢津子、古賀 裕二
  • 雑誌名: Research 巻: 18 ページ: 36-37
• [雑誌論文] Synthesis of Water-Soluble Cyclophane Pentamers Using Click Chemistry as a Multivalent Host for Daunorubicin and Doxorubicin (2013)
  • 著者名/発表者名: O. Hayashida, Y. Nakamura
  • 雑誌名: Bulletin of the Chemical Society of Japan 巻: 86 号: 2 ページ: 223-229
  • DOI: 10.1246/bcsj.20120296
  • NAID: 10031155743
  • ISSN: 0009-2673, 1348-0634
  • 査読あり
• [雑誌論文] 林田 修、市村 和明、木村 圭一朗、中村 勇気、中島 智美 (2013)
  • 著者名/発表者名: クラスター効果によって機能化された水溶性 シクロファン類の創製とゲスト捕捉能
  • 雑誌名: 福岡大学理学集報 巻: 43 ページ: 87-95
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis and enhanced guest-binding affinities of dendrimer-based cyclophane tetramer and octamer (2013)
  • 著者名/発表者名: O. Hayashida, Y. Nakamura, Y. Kaku
  • 雑誌名: Adv. Chem. Eng. Sci. 巻: 3
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis of peptide-based cyclophane oligomers having multivalently enhanced guest-binding affinity (2012)
  • 著者名/発表者名: Osamu Hayashida, Tomomi Nakashima
  • 雑誌名: Bulletin of the Chemical Society of Japan 巻: (印刷中) 号: 6 ページ: 715-723
  • DOI: 10.1246/bcsj.20120076
  • NAID: 130004059044
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis and characterization of reduction- responsive cyclophane dimer based on disulfide linkage (2012)
  • 著者名/発表者名: O. Hayashida, K. Ichimura
  • 雑誌名: Chem. Lett. 巻: 41 号: 12 ページ: 1650-1651
  • DOI: 10.1246/cl.2012.1650
  • NAID: 10031135781
  • 査読あり
• [学会発表] 動的共有結合を有する水溶性シクロファン多量体の合成とゲスト捕捉能の制御 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大野 達矢・松下 幸司・林田 修
  • 学会等名: 第8回バイオ関連化学シンポジウム2014
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] シスチンで連結したシクロファン2量体の合成と還元応答性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小島 恵子・中村 湧・林田 修
  • 学会等名: 第8回バイオ関連化学シンポジウム2014
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] シクロファン多量体の合成とゲスト捕捉能の制御 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中村 湧・小島 恵子・林田 修
  • 学会等名: 第8回バイオ関連化学シンポジウム2014
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] オキシエチレン基で連結したシクロファン２量体の合成と機能 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松下 幸司・大野 達矢・林田 修
  • 学会等名: 第8回バイオ関連化学シンポジウム2014
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] ジスルフィド結合で連結したシクロファン5量体の合成と性質 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中村 湧・林田 修
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会(2014)
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] 種々のスペーサーで連結したシクロファン2量体の合成とホスト機能 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松下 幸司・大野 達矢・林田 修
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会(2014)
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] ローダミン部位を有するシクロファンの合成と細胞内ゲスト送達 (2014)
  • 著者名/発表者名: 加來 悠・小島 恵子・林田 修
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会(2014)
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] シスチンで連結した蛍光性シクロファン２量体の合成と機能 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小島 恵子・加來 悠・林田 修
  • 学会等名: 第7回バイオ関連化学シンポジウム
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] 蛍光消光法によるシクロファンの細胞内取り込みとゲスト送達の評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 加來 悠、木村 圭一朗、林田 修
  • 学会等名: 第6回バイオ関連化学シンポジウム
  • 発表場所: 北海道大学
• [学会発表] ジスルフィド結合を環骨格に組み込んだシクロファンの合成と 還元応答によるゲスト捕捉の制御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 市村 和明、林田 修
  • 学会等名: 第6回バイオ関連化学シンポジウム
  • 発表場所: 北海道大学
• [学会発表] SPR and Fluorescence Study on Host-guest Interactions of Cyclophane Oligomers Having Multivalently Enhanced Guest-binding Affinity (2012)
  • 著者名/発表者名: O. Hayashida, K. Ichimura, K. Kimura, Y. Nakamura, T. Nakashima
  • 学会等名: Label-Free Technologies: Advances and Applications
  • 発表場所: NH Grand Krasnapolsky, Amsterdam, The Netherlands
• [学会発表] ジスルフィド部位を有する水溶性シクロファンの合成と分子認識
  • 著者名/発表者名: 市村和明、林田修
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場
• [学会発表] シクロファン多量体を用いたアニオン性ゲストのHepG2 細胞内取り込み
  • 著者名/発表者名: 木村 圭一朗、塩路 幸生、林田 修
  • 学会等名: 第24回若手研究者のためのセミナー
  • 発表場所: 九州大学
  • 招待講演
• [図書] 薬物送達のためのホストゲスト分子システムの構築 (2015)
  • 著者名/発表者名: 林田 修
  • 総ページ数: 3
  • 出版者: 福岡大学理学集報