フッ素系電子受容体の合成とそれを用いた二次電池正極材の開発

• 研究課題/領域番号: 24550213
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 機能材料・デバイス
• 研究機関: 大阪府立大学
• 研究代表者: 松原 浩 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20239073)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円); 2014年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2013年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2012年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
• キーワード: ベンゾキノン / 酸化剤 / 有機二次電池 / 正極活物質 / 電子受容体 / 二次電池 / 立体効果 / フッ素系化合物 / 含フッ素化合物

研究成果の概要

本研究では、フルオラス化合物において未開発な性質であるペルフルオロアルキル基の強力な電子求引性を活用した高性能の酸化剤を合成し、さらにこの特長を活かした機能性電子材料、すなわちフッ素系二次電池正極材料の開発を行った。以下に成果を述べる。（１）ベンゾキノンにペルフルオロアルキル基を導入したところ、強い酸化剤となることを見出した。（２）合成したベンゾキノン類を用いて二次電池を作製した。その結果、３Ｖ程度の高い出力電圧を示した。一方、臭素を導入したベンゾキノンが容量密度は小さいものの、サイクル特性が最も良い結果となった。（３）更なるサイクル特性の改善を目指しベンゾキノン類の多量化を検討した。

研究成果

• [雑誌論文] teric Effects on the Cyclability of Benzoquinone-type Organic Cathode Active Materials for Rechargeable Batteries (2015)
  • 著者名/発表者名: Yokoji,T.; Kameyama, Y.; Sakaida, S.; Maruyama, N.; Satoh, M.; Matsubara, H.
  • 雑誌名: Chem. Lett. 巻: 44 号: 12 ページ: 1726-1728
  • DOI: 10.1246/cl.150836
  • NAID: 130005112545
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Phase-Vanishing Method with Acetylene Evolution and Its Utilization in Several Organic Syntheses (2015)
  • 著者名/発表者名: Matake, R.; Niwa, Y.; Matsubara, H.
  • 雑誌名: Org. Lett. 巻: 17 号: 10 ページ: 2354-2357
  • DOI: 10.1021/acs.orglett.5b00827
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] An ab-inito and DFT Study of the Autoxidation of THF and THP (2015)
  • 著者名/発表者名: Matsubara, H.; Suzuki, S.; Hirano, S.
  • 雑誌名: Org. Biomol. Chem. 巻: 13 号: 16 ページ: 4686-4692
  • DOI: 10.1039/c5ob00012b
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A Grignard-type Phase-vanishing Method: Generation of Organomagnesium Reagent and Its Subsequent Addition to Carbonyl Compounds (2015)
  • 著者名/発表者名: Matsubara, H.; Niwa, Y.; Matake, R.
  • 雑誌名: Synlett 巻: 26 号: 09 ページ: 1276-1280
  • DOI: 10.1055/s-0034-1380381
  • NAID: 120005767783
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Rechargeable organic lithium-ion batteries using electron-deficient benzoquinones as positive-electrode materials with high discharge voltages (2014)
  • 著者名/発表者名: Yokoji, T.; Matsubara, H.; Satoh, M.
  • 雑誌名: J. Mater. Chem. A 巻: 2 号: 45 ページ: 19347-19354
  • DOI: 10.1039/c4ta02812k
  • NAID: 120005767778
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Synthesis and properties of fluorous benzoquinones and their application in deprotection of silyl ethers (2014)
  • 著者名/発表者名: Matsubara, H.; Maegawa, T.; Kita, Y.; Yokoji, T.; Nomoto, A.
  • 雑誌名: Org. Biomol. Chem. 巻: 12 号: 29 ページ: 5442-5447
  • DOI: 10.1039/c4ob00783b
  • NAID: 120005767779
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Radical vinylation of dioxolanes and N-acylpyrrolidines using vinyl bromides (2014)
  • 著者名/発表者名: Kippo, T.; Kimura, Y.; Maeda, A.; Matsubara, H.; Fukuyama, T.; Ryu, I.
  • 雑誌名: Org. Chem. Front. 巻: 1 号: 7 ページ: 755-758
  • DOI: 10.1039/c4qo00138a
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A Theoretical Study for Reduction of Acyl Radicals with Borohydride Anions (2014)
  • 著者名/発表者名: Kawamoto, T.; Matsubara, H.; Ryu, I.
  • 雑誌名: Chem. Lett. 巻: 43 号: 7 ページ: 1140-1142
  • DOI: 10.1246/cl.140370
  • NAID: 130004868283
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Borohydride-Mediated Radical Addition Reactions of Organic Iodides to Electron-Deficient Alkenes (2014)
  • 著者名/発表者名: Kawamoto, T., Uehara, S. ; Hirao, H. ; Fukuyama, T. ; Matsubara, H. ; Ryu, I.
  • 雑誌名: The Journal of Organic Chemistry 巻: 79 号: 9 ページ: 3999-4007
  • DOI: 10.1021/jo500464q
  • 査読あり
• [雑誌論文] Revisiting the bromination of C-H bonds with molecular bromine by using a photo-microflow system. (2014)
  • 著者名/発表者名: Manabe, Y., Kitawaki, Y., Nagasaki, M., Fukase, K., Matsubara, H., Hino, Y., Fukuyama, T., Ryu, I.
  • 雑誌名: Chem. Eur. J. 巻: 20 号: 40 ページ: 12750-12753
  • DOI: 10.1002/chem.201402303
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Copper-Catalyzed Extended Pummerer Reactions of Ketene Dithioacetal Monoxides with Alkynyl Sulfides and Ynamides with an Accompanying Oxygen Rearrangement (2013)
  • 著者名/発表者名: 村上慧、井本潤一、松原浩、吉田優、依光英樹、大嶌罵幸一郎
  • 雑誌名: Chemistry -A European Journal 巻: (In press) 号: 18 ページ: 5625-5630
  • DOI: 10.1002/chem.201204072
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lactone Radical Cyclizations and Cyclization Cascades Mediated by SmI2-H2O (2012)
  • 著者名/発表者名: Parmer, D.; Matsubara, H.; Price, K.; Spain, M.; Procter, D. J.
  • 雑誌名: J. Am. Chem. Soc. 巻: 134 号: 30 ページ: 12751-12757
  • DOI: 10.1021/ja3047975
  • 査読あり
• [学会発表] フェイズ・バニシング法によるTiCl4を用いた有機合成 (2016)
  • 著者名/発表者名: 足達裕介・松原 浩
  • 学会等名: 日本化学会第96春季年会
  • 発表場所: 同志社大学（京都府京田辺市）
  • 年月日: 2016-03-24
• [学会発表] カルシウムカーバイドを用いたビニルエーテル合成 (2016)
  • 著者名/発表者名: 眞武亮介・足達裕介・松原 浩
  • 学会等名: 日本化学会第96春季年会
  • 発表場所: 同志社大学（京都府京田辺市）
  • 年月日: 2016-03-24
• [学会発表] HBr/1,4-dioxane溶液の調製とその利用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 西尾勇弥・ 御船亮太・松原 浩・佐藤泰輔・曽我真一
  • 学会等名: 2015ハロゲン利用ミニシンポジウム（第8回臭素化学懇話会年会）
  • 発表場所: 島根大学（島根県松江市）
  • 年月日: 2015-11-27
• [学会発表] ベンゾキノン多量体のリチウムイオン二次電池用正極活物質への利用 (2015)
  • 著者名/発表者名: 横地崇人・坂井田俊・丸山則彦・佐藤正春・松原 浩
  • 学会等名: 第56回電池討論会
  • 発表場所: 愛知県産業労働センター（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-11-11
• [学会発表] フェイズ・バニシング法を利用したチタニウムエノラートによるα,β-不飽和アルデヒドの合成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 足達裕介・松原 浩
  • 学会等名: フルオラス科学第8回シンポジウム
  • 発表場所: 清水テルサ（静岡県静岡市）
  • 年月日: 2015-10-02
• [学会発表] ペルフルオロアルキル鎖を有する山口試薬の合成と反応性解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 西尾勇弥・河津朱里・松原 浩
  • 学会等名: 第38回フッ素化学討論会
  • 発表場所: 日本橋公会堂（東京都中央区）
  • 年月日: 2015-09-17
• [学会発表] 二次電池用ベンゾキノン系有機正極活物質におけるサイクル特性の改善 (2015)
  • 著者名/発表者名: 横地崇人・亀山侑季・坂井田 俊・丸山則彦・佐藤正春・松原 浩
  • 学会等名: 日本化学会第９５春季年会
  • 発表場所: 日本大学 理工学部船橋キャンパス（千葉県・船橋市）
  • 年月日: 2015-03-26 – 2015-03-29
• [学会発表] ハロゲンを有するベンゾキノン系化合物の二次電池正極活物質への利用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 横地崇人・松原 浩
  • 学会等名: 2014ハロゲン利用ミニシンポジウム（第7回臭素化学懇話会年会）
  • 発表場所: 日本大学 理工学部駿河台キャンパス（東京都・千代田区）
  • 年月日: 2014-12-12
• [学会発表] 2,2'-Bis-p-benzoquinone誘導体のリチウムイオン電池用正極活物質への利用, (2014)
  • 著者名/発表者名: 横地崇人・松原 浩・佐藤正春
  • 学会等名: 第55回電池討論会
  • 発表場所: 国立京都国際会館（京都府・京都市）
  • 年月日: 2014-11-19 – 2014-11-21
• [学会発表] ペルフルオロカーボンを利用した気体の発生と有機合成への利用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 眞武亮介・丹羽勇樹・松原 浩,
  • 学会等名: 第37回フッ素化学討論会
  • 発表場所: 大阪府立男女共同参画・青少年センター（ドーンセンター）（大阪府・大阪市）
  • 年月日: 2014-10-30 – 2014-10-31
• [学会発表] ハロゲンを有するベンゾキノン誘導体の二次電池への応用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 横地祟人, 松原 浩, 佐藤正春
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] ペルフルオロアルキル基を有する山口試薬の開発 (2014)
  • 著者名/発表者名: 河津朱里, 松原 浩
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] フルオラスハイブリッド溶媒の開発と有機合成への利用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 葛原満広, 松原 浩
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名古屋大学
• [学会発表] フッ素及びペルフルオロアルキル基を有するベンゾキノン類の合成と二次電池正極活物質への利用, (2013)
  • 著者名/発表者名: 横地祟人, 松原 浩
  • 学会等名: 第３６回フッ素化学討論会
  • 発表場所: つくば
• [学会発表] 電子求引性置換基を有するベンゾキノン誘導体の二次電池正極活物質への利用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 横地祟人, 松原 浩, 佐藤正春
  • 学会等名: 第５４回電池討論会, 大阪, 2013年10月.
  • 発表場所: 大阪
• [学会発表] フルオラス山口試薬の合成とその利用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 河津朱里, 松原 浩
  • 学会等名: フルオラス科学第６回シンポジウム
  • 発表場所: 岡山
• [学会発表] BTF系ハイブリッド溶媒の開発と有機合成への利用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 葛原満広, 松原 浩
  • 学会等名: フルオラス科学第６回シンポジウム
  • 発表場所: 岡山
• [学会発表] ベンゾキノン誘導体の二次電池への応用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 横地崇人・松原 浩・佐藤正春
  • 学会等名: 日本化学会第９３春季年会
  • 発表場所: 立命館大学びわこ・草津キャンパス
• [学会発表] 新規フルオラスハイブリッド溶媒の合成とその性質 (2012)
  • 著者名/発表者名: 葛原満広・松原 浩
  • 学会等名: フルオラス科学第5回シンポジウム
  • 発表場所: 仙台
• [図書] フッ素系溶媒の特徴と有機合成 (2013)
  • 著者名/発表者名: 松原 浩
  • 総ページ数: 350
  • 出版者: S&T出版
• [図書] Fluorous Organic Hybride Solvents for Non-fluorous Organic Synthesis (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsubara, H.; Ryu
  • 総ページ数: 411
  • 出版者: Springer-Verlag
• [備考] 研究概要
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/~matsu/index.html
• [備考] 発表論文
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/~matsu/papers.html
• [備考] 研究内容：ペルフルオロアルキル基の電子求引性の利用
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/~matsu/research.html
• [備考] 研究成果
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/~matsu/papers.html
• [備考] ペルフルオロアルキル基の電子求引性の利用
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/̃matsu/research.html
• [備考] ペルフルオロアルキル基の電子求引性の利用
  • URL: http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/~matsu/research.html