鳥類におけるさえずりの地理的変異と種分化：特に形質置換による生殖隔離について

• 研究課題/領域番号: 24570119
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物多様性・分類
• 研究機関: 独立行政法人国立科学博物館
• 研究代表者: 濱尾 章二 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, グループ長 (60360707)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円); 2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: さえずり / 種認知 / 生殖隔離 / 形質置換 / 形質転換 / 種分化 / 種認識

研究成果の概要

南西諸島に同所的あるいは異所的に分布するシジュウカラ、ヤマガラという近縁の2鳥種を用いて、さえずりの似た近縁種によるさえずりと種認知メカニズムの進化を研究した。さえずりを分析したところ、いずれの種でも地理的変異（方言）が見られた。特にシジュウカラではヤマガラによる形質置換が見られた。すなわち、ヤマガラと同所的に分布するシジュウカラはヤマガラとは異なる周波数が低いさえずりを用いていた。
また音声再生実験から、他方の種と共存する場合は、異種や同種他所のさえずりを同種のものとは認知しないことがわかった。さえずりの似た種の存在はさえずり方とともに種認知の厳密さにも影響を与えていた。

研究成果

• [雑誌論文] Geographic variation in bird songs: examination of the effects of sympatric related species on the acoustic structure of songs (2016)
  • 著者名/発表者名: Hamao, S., N. Sugita and I. Nishiumi
  • 雑誌名: Acta Ethologica 巻: 19 号: 1 ページ: 81-90
  • DOI: 10.1007/s10211-015-0228-6
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Rapid change in song structure in introduced Japanese Bush-warblers (Cettia diphone) in Hawaii (2015)
  • 著者名/発表者名: Hamao, S
  • 雑誌名: Pacific Science 巻: 69 号: 1 ページ: 59-66
  • DOI: 10.2984/69.1.4
  • 査読あり
• [雑誌論文] 奄美諸島喜界島におけるモズの繁殖 (2013)
  • 著者名/発表者名: 伊地知 告・鳥飼久裕・濱尾章二
  • 雑誌名: 日本鳥学会誌 巻: 62 号: 1 ページ: 68-71
  • DOI: 10.3838/jjo.62.68
  • NAID: 10031170244
  • ISSN: 0913-400X, 1881-9710
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of introduced Japanese weasels (Mustela itatsi) on the nest height of Japanese Bush-Warblers (Cettia diphone) on Miyake-jima Island, Japan (2013)
  • 著者名/発表者名: Hamao, S., and H. Higuchi
  • 雑誌名: Wilson Journal of Ornithology 巻: 125 号: 2 ページ: 426-429
  • DOI: 10.1676/12-178.1
  • 査読あり
• [雑誌論文] Acoustic structure of songs in island populations of the Japanese bush warbler, Cettia diphone, in relation to sexual selection. (2013)
  • 著者名/発表者名: Shoji Hamao
  • 雑誌名: Journal of Ethology 巻: 31 号: 1 ページ: 9-15
  • DOI: 10.1007/s10164-012-0341-1
  • 査読あり
• [雑誌論文] Geographical variation in mitochondrial DNA and vocalizations in two resident bird species in the Ryukyu Archipelago, Japan. (2013)
  • 著者名/発表者名: Hamao, S., N. Sugita and I. Nishiumi
  • 雑誌名: Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series A (Zoology) 巻: 39 ページ: 51-62
  • NAID: 40019655521
  • 査読あり
• [学会発表] シジュウカラとヤマガラにおけるさえずりの地理的変異と種認知の撹乱 (2016)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・杉田典正・西海功
  • 学会等名: 第71回日本生物地理学会年次大会
  • 発表場所: 東京大学農学部（東京都文京区）
  • 年月日: 2016-04-17
• [学会発表] 食物が乏しく捕食者がいない?：小笠原諸島のウグイスの育雛行動 (2014)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・葉山雅広
  • 学会等名: 日本動物行動学会第33回大会
  • 発表場所: 長崎大学
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 鳥のさえずりの地理的変異と種の認知：方言に対する反応の非対称性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二
  • 学会等名: 第30回個体群生態学会大会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 2014-10-10 – 2014-10-12
• [学会発表] 小笠原諸島のウグイスの繁殖生態 (2014)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・葉山雅広
  • 学会等名: 日本鳥学会2014年度大会
  • 発表場所: 立教大学
  • 年月日: 2014-08-22 – 2014-08-25
• [学会発表] Do birds recognize foreign dialect singers as the same species?: Effect of sympatric species singing similar songs (2014)
  • 著者名/発表者名: Hamao, S.
  • 学会等名: 26th International Ornithological Congress
  • 発表場所: Rikkyo University, Tokyo
  • 年月日: 2014-08-18 – 2014-08-24
• [学会発表] 南西諸島における留鳥性鳥類4種の遺伝的変異とさえずりの変異 (2013)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・杉田典正・西海 功
  • 学会等名: 日本鳥学会2013年度大会
  • 発表場所: 名城大学
• [学会発表] 南西諸島のカラ類2種のさえずりに地理的変異をもたらす要因 (2013)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二
  • 学会等名: 日本動物行動学会第32回大会
  • 発表場所: 広島大学
• [学会発表] 島へのイタチ移入と鳥の巣高変化：学習か淘汰か? (2012)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・樋口広芳・内田博
  • 学会等名: 日本動物行動学会第31回大会
  • 発表場所: 奈良
• [学会発表] 三宅島におけるイタチ導入前後のウグイスの巣高の変化．
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二・樋口広芳
  • 学会等名: 日本鳥学会2012年度大会
  • 発表場所: 東京
• [図書] さえずりを他種が聞くと何が起こるか．In 鳥の行動生態学 (2016)
  • 著者名/発表者名: 濱尾章二
  • 総ページ数: 302
  • 出版者: 京都大学学術出版会