環境グルコース濃度に応じたトランスポーター分子の機能発現制御メカニズムの解明

• 研究課題/領域番号: 24570221
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 細胞生物学
• 研究機関: 久留米大学
• 研究代表者: 齋藤 成昭 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (30352123)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円); 2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2013年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2012年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: グルコース / 輸送体 / シグナル伝達 / 分裂酵母 / CaMKK / TORキナーゼ / 糖代謝 / 転写制御

研究成果の概要

真核細胞が様々な生理プロセスを円滑に行うためには、主たるエネルギー源であるグルコースを効率的に取り込むことが必要である。グルコースは細胞膜上のグルコース輸送体を通って細胞内へと運ばれるが、本研究で我々は、分裂酵母をモデルとして、そのゲノム中に含まれる八つのグルコース輸送体の機能発現制御について解析した。ヒト血糖値程度の低濃度のグルコースを分裂酵母細胞が利用するためにはGht5輸送体が必須であることが判明した。さらにGht5輸送体の遺伝子発現と細胞膜局在は、進化的に酵母からヒトに至るまで保存されたCaMKK経路、TORC2経路の二つのシグナル経路によって制御されていることが明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] Mechanisms of expression and translocation of major fission yeast glucose transporters regulated by CaMKK/phosphatases, nuclear shuttling, and TOR (2015)
  • 著者名/発表者名: Shigeaki Saitoh, Ayaka Mori, Lisa Uehara, Fumie Masuda, Saeko Soejima, Mitsuhiro Yanagida
  • 雑誌名: Molecular Biology of the Cell 巻: 26 号: 2 ページ: 373-386
  • DOI: 10.1091/mbc.e14-11-1503
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Does a shift to limited glucose activate checkpoint control in fission yeast? (2014)
  • 著者名/発表者名: Shigeaki Saitoh, Mitsuhiro Yanagida
  • 雑誌名: FEBS Letter 巻: 588 号: 15 ページ: 2373-2378
  • DOI: 10.1016/j.febslet.2014.04.047
  • オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Switching the centromere on and off: epigenetic chromatin alterations provide plasticity in centromere activity stabilizing aberrant dicentric chromosomes (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤浩、齋藤成昭
  • 雑誌名: Biochemical Society Transactions 巻: 41 号: 6 ページ: 1648-1653
  • DOI: 10.1042/bst20130136
• [雑誌論文] Epigenetic inactivation and subsequent heterochromatinization of a centromere stabilize dicentric chromosomes (2012)
  • 著者名/発表者名: Sato, H., Masuda, F., Takayama, Y., Takahashi, K. Saitoh, S
  • 雑誌名: Current Biology 巻: 22 号: 8 ページ: 658-667
  • DOI: 10.1016/j.cub.2012.02.062
  • 査読あり
• [学会発表] Expression and localization of Ght5 are regulated by CaMKK and TORC2, ensuring cell proliferation under low-glucose conditions (2015)
  • 著者名/発表者名: Shigeaki Saitoh
  • 学会等名: 8th international fission yeast meeting
  • 発表場所: Kobe, Hyogo, Japan
  • 年月日: 2015-06-21 – 2015-06-26
  • 招待講演
• [学会発表] 低濃度グルコース環境下での細胞増殖に必須な２つのシグナル経路 (2015)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 甲南大学統合ニューロバイオロジー研究所セミナー
  • 発表場所: 兵庫県神戸市
  • 年月日: 2015-03-30
  • 招待講演
• [学会発表] 生理的低濃度グルコースの利用に必要な分子メカニズムの解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第３２回YEAST WORKSHOP
  • 発表場所: 広島県呉市
  • 年月日: 2014-11-14
• [学会発表] 低グルコース環境への適応に必須な２つのシグナル経路 (2014)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第１４回日本抗加齢医学会総会
  • 発表場所: 大阪府大阪市
  • 年月日: 2014-06-06
  • 招待講演
• [学会発表] Epigenetic mechanism stabilizing chromosomes with multiple centromeres. (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 7th International Fission Yeast Meeting
  • 発表場所: イギリス、ロンドン
  • 招待講演
• [学会発表] 低グルコース環境での生育に必須な２つのシグナル経路 (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第31回内分泌代謝学サマーセミナー
  • 発表場所: 大分県 由布市
  • 招待講演
• [学会発表] 低グルコース環境での細胞増殖に必須な２つのシグナル経路 (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 国立遺伝学研究所 研究会「染色体DNAの安定維持の分子メカニズム」
  • 発表場所: 静岡県 三島市
  • 招待講演
• [学会発表] 低グルコース環境での生育に必須な二つのシグナル経路 (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第３回TOR研究会
  • 発表場所: 愛知県 岡崎市
• [学会発表] 低グルコース環境での生育に必須な分裂酵母Ght5グルコース輸送体の機 能発現はTORC2とCaMKKによって制御される (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤 成昭, 森 礼郁, 上原 理沙, 増田 史恵, 副島 朗子, 柳田 充弘
  • 学会等名: 第 36回分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫県 神戸市
• [学会発表] 分裂酵母TORC2は、低グルコース環境での生育に必須である (2013)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第2回ＴＯＲ研究会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 低グルコース環境での細胞増殖に必須なTORC2およびCaMKKシグナル経路はヘキソース輸送体の機能発現を制御する (2012)
  • 著者名/発表者名: 齋藤成昭
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [備考] 生理的低濃度グルコース環境下での細胞増殖メカニズム
  • URL: http://www.lsi.kurume-u.ac.jp/cell_biology/research_in_detail_1.html