昆虫の摂食行動関連因子の脳神経ネットワークが制御する生体応答と体内の分子変動解析

• 研究課題/領域番号: 24580157
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物生産化学・生物有機化学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 永田 晋治 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40345179)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円); 2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2012年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
• キーワード: 昆虫生理学 / ペプチド / ホルモン / 摂食行動 / 昆虫生理生化学 / 昆虫 / ペプチドホルモン / ネットワーク

研究成果の概要

これまでカイコ幼虫から摂食行動に関わる脳神経系因子群を同定してきた。単一で決定的な調節因子が見られないことから、昆虫の摂食行動の調節メカニズムはネットワーク支配が重要と考えられた。
本研究では、摂食行動調節でのホルモンネットワークの構造を見出すための基盤研究を中心に行った。成果として、機能未知であるITP (ion transport peptide)の受容体や、新規ホルモンGSRYアミドを同定できた。また、脳腸ペプチドが代謝酵素に関与することも見出した。現在、ホルモンで形成するネットワークグラフを作成中であり、評価系を確立し、摂食行動のネットワーク支配の形が見えてきた。

研究成果

• [雑誌論文] Structural determination of an N-glycan moiety attached to the prothoracicotropic hormone from the silkmoth Bombyx mori. (2014)
  • 著者名/発表者名: Nagata S, Kobayashi J, Kataoka H, Suzuki A.
  • 雑誌名: Biosci, Biotech Biochem 巻: 78 号: 8 ページ: 1381-1383
  • DOI: 10.1080/09168451.2014.925777
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Identification and characterization of receptors for ion transport peptide (ITP) and ITP-like (ITPL) in the silkworm, Bombyx mori (2014)
  • 著者名/発表者名: Nagai C, Mabashi AH, Nagasawa H, Nagata S.
  • 雑誌名: Journal of Biological Chemistry 巻: 289 号: 46 ページ: 32166-32177
  • DOI: 10.1074/jbc.m114.590646
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Mating changes the female dietary preference in the two-spotted cricket, Gryllus bimaculatus (2014)
  • 著者名/発表者名: 塚本悠介、片岡宏誌、長澤寛道、永田晋治
  • 雑誌名: Frontiers in Physiology 巻: 5
  • DOI: 10.3389/fphys.2014.00095
  • 査読あり
• [雑誌論文] 昆虫の行動を制御するホルモンの研究の最近の動向 (2013)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 雑誌名: 化学と生物 巻: 51 ページ: 168-176
  • NAID: 10031156787
• [雑誌論文] Knockdown of the adipokinetic hormone receptor increases feeding frequency in the two-spotted cricket Gryllus bimaculatus. (2012)
  • 著者名/発表者名: Konuma T, Morooka N, Nagasawa H, Nagata S
  • 雑誌名: Endocrinology 巻: 153 号: 7 ページ: 3111-3122
  • DOI: 10.1210/en.2011-1533
  • 査読あり
• [雑誌論文] Identification of cDNAs encoding allatotropin and allatotropin-like peptides from the silkworm (2012)
  • 著者名/発表者名: Nagata S, Matsumoto S, Mizoguchi A, Nagasawa H
  • 雑誌名: Bombyx mori. Peptides 巻: 34 号: 1 ページ: 98-105
  • DOI: 10.1016/j.peptides.2012.01.002
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of starvation on brain short neuropeptide F-1,-2 and-3 levels and short neuropeptide F receptor expression levels of the siilkworm, Bombyx mori (2012)
  • 著者名/発表者名: Nagata S, Matsumoto S, Nakane T, Ohara A, Morooka N, Konuma T, Nagai C, Nagasawa H
  • 雑誌名: Frontiers Experimental Endocrinology 巻: 3 ページ: 1-3
  • DOI: 10.3389/fendo.2012.00003
  • 査読あり
• [雑誌論文] A hemolymph major anionic peptide, HemaP, motivates feeding behavior in the sweetpotato hornworm, Agrius convolvuli (2012)
  • 著者名/発表者名: 諸岡信克、永田晋治、白井孝治、木口憲爾、長澤寛道
  • 雑誌名: FEBS Journal 巻: 279 号: 1 ページ: 168-179
  • DOI: 10.1111/j.1742-4658.2011.08408.x
  • 査読あり
• [学会発表] RNA-sequencing解析によるフタホシコオロギGryllus bimaculatusの脳神経系ペプチドの同定 (2015)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、塚本悠介、鈴木穣
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2015-03-29
• [学会発表] フタホシコオロギGryllus bimaculatusにおけるアラトスタチンBタイプによる摂食行動の制御機構の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 塚本悠介、永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2015-03-29
• [学会発表] フタホシコオロギGryllus bimaculatusの脂肪酸不飽和化酵素Δ9-およびΔ12-desaturaseの発現変動解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 福村圭介、小沼貴裕、永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2015-03-29
• [学会発表] フタホシコオロギGryllus bimaculatusにおける自然免疫にかかわる転写因子のdorsalの同定 (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤尚子、永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2015-03-29
• [学会発表] Comprehensive analyses of neuropeptides in the response to different feeding states in the two-spotted cricket, Gryllus bimaculatus (2015)
  • 著者名/発表者名: 塚本悠介、永田晋治
  • 学会等名: Invertebrate neuropeptide conference 2015
  • 発表場所: ミャンマー国、バガン
  • 年月日: 2015-02-16 – 2015-02-19
• [学会発表] Comparative analyses of neuropeptides from the silkworm, Bombyx mori and the two-spotted cricket, Gryllus bimaculatus (2015)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、塚本悠介
  • 学会等名: Invertebrate neuropeptide conference 2015
  • 発表場所: ミャンマー国、バガン
  • 年月日: 2015-02-16 – 2015-02-19
• [学会発表] 昆虫の摂食行動の内分泌制御が支配する生命維持装置 (2014)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 生物機能開発学セミナー
  • 発表場所: 広島大学
  • 年月日: 2014-12-02
  • 招待講演
• [学会発表] 昆虫における栄養分依存的な摂食行動ｰ内分泌系が支える生命維持装置ｰ (2014)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 茨城大学農医連携シンポジウム
  • 発表場所: 茨城大学
  • 年月日: 2014-09-05
  • 招待講演
• [学会発表] 昆虫の摂食行動の内分泌制御 (2014)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本学術会議公開シンポジウム「昆虫における刺激の受容とその反応」
  • 発表場所: 日本学術会議講堂
  • 年月日: 2014-07-26
  • 招待講演
• [学会発表] カイコBombyx moriの糞中に含まれる新規ペプチドおよびタンパク質の同定 (2013)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 平成25年度蚕糸昆虫機能利用学術講演会
  • 発表場所: 農林水産技術会議事務局筑波事務所
• [学会発表] Identification of diuretic hormone 31 as a modulator of feeding behavior in the silkworm, Bombyx mori (2013)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: Invertebrate neuropeptide conference 2013
  • 発表場所: Krabi, Thailand
• [学会発表] 昆虫の行動を規定する化学 (2012)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会関東支部2012年度第1回支部例会
  • 発表場所: 東京大学農学部中島記念ホール
  • 招待講演
• [学会発表] Endocrinal control of nutrional dependent feeding behavior in insects (2012)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本味と匂い学会
  • 発表場所: 大阪大学コンベンションセンター
  • 招待講演
• [学会発表] Identification of peptidyl factors modulating feeding behavior of the silkworm, Bombyx mori (2012)
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: International Conference Entomologist 2012
  • 発表場所: Daegu, Korea
• [学会発表] Eff ects of knockdown of the adipokinetic hormone receptor on nutritional levels and feeding frequency in the (2012)
  • 著者名/発表者名: 小沼貴裕、諸岡信克、長澤寛道、永田晋治
  • 学会等名: International Conference Entomologist 2012
  • 発表場所: Daegu, Korea
• [学会発表] フタホシコオロギGryllus bimaculatus の脂肪酸不飽和化酵素 delta 9-および delta 12-desaturaseのクローニングと酵素活性測定
  • 著者名/発表者名: 小沼貴裕、安保貴子、吉永直子、森直樹、長澤寛道、永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 明治大学
• [学会発表] フタホシコオロギにおける摂食行動を制御する神経ペプチドの網羅的変動解析
  • 著者名/発表者名: 塚本悠介、永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 明治大学
• [学会発表] フタホシコオロギの選好性摂食行動の自動計測システム作成
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 明治大学
• [学会発表] カイコの摂食行動調節ペプチドGSRYアミドの受容体の同定と解析
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本蚕糸昆虫学術講演会
  • 発表場所: 日本大学
• [学会発表] カイコの前額神経球における摂食行動を調節するペプチドホルモンおよびその受容体の発現解析
  • 著者名/発表者名: 永田晋治
  • 学会等名: 日本分子生物学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場
• [学会発表] カイコ幼虫における short neuropeptide F による腸管由来消化酵素の調節
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、大原彩子、長澤寛道
  • 学会等名: 日本比較内分泌学会
  • 発表場所: 宮崎市民プラザ
• [学会発表] カイコBombyx moriの前額神経球に発現しているペプチドホルモン利尿ホルモン31は幼虫の摂食行動を調節する
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 日本分子生物学会
  • 発表場所: 福岡マリンメッセ
• [学会発表] カイコにおける神経ペプチドshort neuropeptide Fが中腸のプロテアーゼ活性に与える影響
  • 著者名/発表者名: 大原彩子、永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 日本農芸化学会平成25年度大会
  • 発表場所: 東北大学
• [学会発表] フタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus)における脂質動員ホルモン(AKH, adipokinetic hormone)が制御する体液中の脂質および糖質レベルと摂食行動との関連性の解析
  • 著者名/発表者名: 小沼貴裕、永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 日本農芸化学会平成25年度大会
  • 発表場所: 東北大学
• [学会発表] フタホシコオロギにおける交尾後に惹起される摂食行動に関わる生体内因子の同定の試み
  • 著者名/発表者名: 塚本悠介、永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 日本農芸化学会平成25年度大会
  • 発表場所: 東北大学
• [学会発表] フタホシコオロギのおける餌に含まれる共食いを抑制する因子の同定の試み
  • 著者名/発表者名: 永田晋治、長澤寛道
  • 学会等名: 日本農芸化学会平成25年度大会
  • 発表場所: 東北大学
• [備考] 東大院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 分子認識化学分野 Team N 「昆虫の摂食行動」
  • URL: https://sites.google.com/site/teamnagata2013/home