本研究は、肺がんの発生と関連する責任遺伝子の局在を突き止める目的で肺腺がん、扁平上皮がんおよび神経内分泌性腫瘍合計306例を対象とし、8pにある19のDNAマーカーを用いPCR法によりマイクロサテライト不安定性MSI解析を行った。その結果、8p23.2、8p23.1、8p22および8p21におけるMSI頻度は、それぞれ20%、51%、24%と15%であり、8p23.1におけるMSI頻度は他の領域より有意に高いことが判明した。特にD8S1819においてのMSIは何れの組織型においても高頻度であったことから、肺がんの発生と関連する責任遺伝子が8p23.1に存在している可能性が示唆された。
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