研究課題/領域番号 |
24590771
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
川上 隆茂 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40441589)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
|
配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2012年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 肥満 / 脂肪細胞 / メタロチオネイン / 性差 / Mest / 脂肪肝 / 去勢 / テストステロン / 脂肪組織 |
研究実績の概要 |
本年度は、メタロチオネイン(MT)欠損マウスの易肥満性及びその性差の原因解明のため、まず、雌雄MT欠損および野生型マウスの新生児(生後7日目)の皮下脂肪重量の比較をおこなった。さらに、生後5日目の雌雄のMT欠損および野生型マウスから脂肪細胞の基となる細胞を取り出し、MT遺伝子の(1)脂肪細胞分化に対する関与、(2)脂肪細胞分化過程における制御因子の同定、(3)脂肪細胞分化における性差発現メカニズムを解析した。 結果、MT欠損マウスは野生型マウスと比較して、雌雄とも生後7日目では皮下脂肪組織重量の有意な増加を示したが、性差は認められなかった。このことから、MT欠損は基底レベルにおいて脂肪細胞重量に影響を与える可能性が示唆された。 次に、MT遺伝子の脂肪細胞化分化に対する感受性を検討したところ、雌雄共にMT欠損マウス由来の細胞は野生型細胞と比較して約2.1-3.8倍高かった。さらに、MT欠損マウス由来の雌性の細胞はその雄性より約4.6倍高く、初年度で行った高脂肪食を与えた動物実験と相関していた。また、脂肪細胞化分化の主要制御因子であるC/EBPα, PPARγ2遺伝子発現量は、雌性ではMT欠損マウス由来の細胞で高く、雄性では野生型マウス由来の細胞で増加傾向であった。また、脂肪細胞肥大化因子として知られるMest遺伝子mRNA発現量は、分化誘導後6日をピークに増加したが、その発現量の増加割合はMT欠損マウス由来の細胞でより顕著であったことから、MT遺伝子は脂肪細胞肥大化を司るMestの制御に関与する可能性が示唆された。 以上、MT欠損による易肥満性は、初期増殖促進、分化刺激感受性の増強、およびMest発現の上昇などを介した脂肪細胞化分化促進等によることが示唆された。また、雌性は雄性より高い分化感受性を示したため、性差を規定する因子のさらなる解析が必要と考えられた。
|