研究課題
基盤研究(C)
1有効な遺伝子導入ベクターの開発とその評価についてi)導入TCRの発現効率が高く、内因性TCRとのミスペアリングの少ないウイルスベクターの作製すでに作製したマウス線維肉腫CMS5の腫瘍抗原である変異型MAPキナーゼを特異的に認識するTCR遺伝子を組み込んだエコトロピックレトロウイルスベクター(TCRベクター)にヒト用ベクターで開発した内在性TCRを特異的に阻害するsiRNAを同時に搭載することにより、導入TCRの発現を高め、内在性TCRとのミスペアリングを防ぐ技術(siTCRベクター)を組み合わせて、新たにマウス用siTCRベクターを作製した。このsiTcRベクターを導入したマウスリンパ球は、TcRベクターを導入したマウスリンパ球に比べ、内在性TCRが抑制されていることを確認した。ii)上記ベクターのin vivo有効性評価TcRベクター、およびsiTCRベクターを導入したマウスリンパ球を、cMs5腫瘍担癌マウスに輸注し、抗腫瘍効果を観察した。siTcRベクター導入リンパ球輸注群で抗腫瘍効果が強い傾向が認められた。また、TCR遺伝子導入リンパ球の抗腫瘍効果を増強する工夫として、輸注前の放射線照射や免疫抑制剤投与によるリンパ球減少性の処置について検討した。放射線照射とシクロフォスファミド投与の前処置を行うと、輸注細胞のin vivoにおける分裂とマルチファンクション性が増強し、抗腫瘍効果が増強することを確認した。iii)上記ベクターのin vivo安全性評価TCRベクター、およびsiTCRベクターの安全性を評価するために、これらのベクターを導入したマウスリンパ球を、リンパ球減少性前処置を施行したマウスに輸注し、長期にわたる観察を開始した。経時的にin vivoにおける輸注細胞の生存を、Flow cytometryおよびゲノムDNA中に含まれるレトロウイルスのコピー数で確認したところ、長期にわたる輸注細胞の生存が確認できた。上記の内容は、日本遺伝子治療学会、日本がん免疫学会、日本免疫学会にて発表した。
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