研究課題
基盤研究(C)
小細胞肺癌(SCLC)の難治性の原因となる多剤耐性に深く関わる分子としてHER2を同定した。HER2チロシンキナーゼ阻害剤lapatinibは薬剤排泄ポンプ(ABCB1,ABCG2)の機能を抑制することで抗癌剤感受性を回復させた。一方、抗HER2抗体trastuzumabは抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を増強させることで抗腫瘍効果を発揮した。さらに、HER2陽性抗癌剤耐性再発SCLC患者2名に対して先進医療としてtrastuzumabによる治療を実施し、その有効性と安全性を確認した。これらの知見は、HER2のSCLCにおける多剤耐性克服のための治療標的としての可能性を示唆するものである。
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