研究課題
基盤研究(C)
平成24年度は、シネミンの遺伝子及びタンパク質が発現している脳幹部背側の大型ニューロンの機能について検討することにしていた。このニューロンは少なくとも抗Tryptophan hydroxyrase-1(TPH-1)抗体に反応することは我々が確認していた。先ずはIn Situハイブリダイゼーション法を用いて、TPH-1及びTPH-2の遺伝子がマウス脳組織のどの部位に発現しているかについて検討した。(1)TPHの遺伝子がこの大型ニューロンに発現しているかどうか、(2)TPH-2の遺伝子がこの大型ニューロンに発現しているかどうか、(3)シネミン、TPH-1、TPH-2の三者がこの大型ニューロンに発現しているかどうか。これらのことが明らかにできればとシネミン陽性の大型ニューロンとセロトニン系ニューロンの関連が示唆され、シネミンもしくは大型ニューロンの機能解明に一歩前進するのではないかと考えていた。しかしながら、バックグラントがシグナルよりも高い状態となり、判定不可能であった。そのため染色条件(酵素濃度などのハイブリダイゼーション前処理、最適温度、バッファーの検討、プローブ濃度の検討、ハイブリダイゼーション後の洗浄条件、抗体反応条件など)の再検討を行う必要が生じてしまった。平成25年度はプローブの作成から再度挑戦し、In Situハイブリダイゼーションの染色が上手く機能することを目指していく。上記の予定でいたが、平成25年6月末で退職となったため研究は進まなかった。